明治25年春場所8日目 (毎日新聞/明治25.1.14)
○回向院大相撲 ・昨八日目は観客も前日より稍々減少せし如くなれど、貴顕方には毎度ながら近衛公、徳川公、伊達侯、芳川宮中顧問官等を見受けたり。 ・大碇に外ノ海は、突張りて大碇の勝。 ・大纒に千年川は、立上り纒一寸とハタキて…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
○回向院大相撲 ・昨八日目は観客も前日より稍々減少せし如くなれど、貴顕方には毎度ながら近衛公、徳川公、伊達侯、芳川宮中顧問官等を見受けたり。 ・大碇に外ノ海は、突張りて大碇の勝。 ・大纒に千年川は、立上り纒一寸とハタキて…
・昨日七日目は前日に劣らざる好景気にて、貴顕方には貴族院議長蜂須賀侯、同全院委員長近衛公、同第一部長徳川公、其の他伊達侯等の方々にてありし。 ・高ノ戸に高千穂は、高ノ戸左差しヨリ来るを、敵は引張りて逃げつつ棄てんとする模…
○回向院大相撲 ・一昨日六日目の同相撲は引続きての好天気、殊に日曜の上小錦と云える人気愛嬌ある力士が病気を冒しての取組もありとて観客の足取り早く、回向院内外は雑踏非常にして午前十時頃にはすでに二等三等の場所売切れの札を貼…
○回向院大相撲 ・昨日五日目の同相撲は、日々の好景気なるためにわかに桟敷の建て増しをなすなど近年になき人気にて、貴顕方の内には近衛公、徳川公、西郷伯、三好中将、渡辺驥氏、児玉判事等の方々を見受けたり。 ・高ノ戸に大纒は、…
○回向院大相撲 ・昨日四日目の同相撲は前日に優りたる大景気にて、此の分にて明日の日曜は客止ともなるべしなど人々噂せり、さて今回の大入は全く大炮大達両力士の呼ぶ所にして、かの人気角觝小錦は病気なりとて初日以来影さえ見えざり…
○回向院の大相撲 ・昨日三日日の同相撲は、日増しに観客増加し午後三時頃に至りては実に人浪を打つばかりの好景気にて、貴顕方には近衛公、伊達侯、渡辺驥氏等を見受けたり。 ・猫又に鬼鹿毛は、立合に鬼は得意の罠に陥し入れんとてサ…
○回向院の大相撲 ・昨日二日目の同相撲は改良値下げの効空しからず客足繁く、午後に至りては場内余地なきばかりの好景気にて、殊に貴族院全院委員長近衛公は貴顕方の好角連の仲間入りをなし、徳川公と相並んで両々相撲の評を下せる様相…
○回向院の大相撲 ・昨日開場となりし同相撲初日の景況は回向院門外に数本の幟を押し立て、かねても記せし如く特別席の外は全て木戸銭にて自由自在に如何なる場所にても見物し得られしものから来観者は従来初日の比にあらず、午後二時頃…
○回向院の大相撲 ・昨日十日目千秋楽の同相撲は、活発なる角觝なかりしゆえ評は除きぬ、しかし未曾有の出来事ありしゆえこれを別項に掲ぐる事とせり。 ○相撲場の出来事 ・昨日十日目の相撲中入前、小松山に笹島の角觝は立上り左四ツ…
○回向院の大相撲 ・昨日九日目の同相撲は、観客めっきり減じたるゆえか活発なる取組みなく、うち少しく面白きものだけを記さん。 ・大達に平ノ戸は、立上り平は突掛けツツ踏込み行くを一寸と突き戻し左四ツにつがい、直ぐスクイ投げを…