明治32年夏場所開幕せず その2(朝日新聞/明治32.5.22)
○大角觝大紛議の続聞 ・回向院五月場所大角觝開場の間際に至り突然内部に大紛議を生じ、ために開場に至らず無期限休業となりし次第はほぼ前号に尽くしたり、今その続聞を記さんに、そもそも今回の紛議は一朝一夕に起こりたるにあらず、…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
○大角觝大紛議の続聞 ・回向院五月場所大角觝開場の間際に至り突然内部に大紛議を生じ、ために開場に至らず無期限休業となりし次第はほぼ前号に尽くしたり、今その続聞を記さんに、そもそも今回の紛議は一朝一夕に起こりたるにあらず、…
○回向院大角觝の大紛議続聞(大角觝の無期限休業) ・昨二十日を以て初日を開場すべき回向院五月場所は、一昨日の午後に至り突然内部に紛議を生じ、午後四時頃より年寄雷、阿武松をはじめ検査役並びに東西両大関等浅草代地の小中村楼へ…
○回向院大相撲の番付 ・当五月場所の番付は、既記の如く昨日午前四時を以て発表となりたり。 ○角觝雑俎 ・新番付中幕内力士に席順の昇降あるは皆自身の技倆によること勿論なるが、そのうちについて特に著しきは常陸山の前頭筆頭に進…
○回向院大相撲 ・昨十九日(十日目)幕下力士が出世の関ヶ原とて好角家はかえって早朝より観物に赴き、相応の入りを占めたり。 ・照日山に野州山は、苦なく突き出して野州の勝。 ・立嵐に大戸川は、素首落としで立の勝。 ・朝日龍に…
○回向院大相撲 ・昨日(九日目)の同相撲は好角家の希望する好取組多かりしかば午前十一時には早や客止めとなりたり。 ・國初に小石崎は、左四つにて空き手は巻き合いやがて小石は出臀を伸ばし寄切って小石の勝ち。 ・磯千鳥に鷲ヶ濱…
○回向院大相撲 ・昨十六日(八日目)は午前十時頃すでに客止めとなり、花道はもちろん力士溜りさえ観客割り込みて実に寸地を余さず、足を踏み頭を越えて通行する程の雑踏にてありし。 ・嵐山に大戸川は、嵐左を差して寄り切り嵐の勝。…
○回向院大相撲 ・昨日(七日目)は日曜日と藪入日のかちあいし事とて各桟敷朝のうちに売切れとなり九時頃には客止めの好景気なりし。 ・平岩に國見山は、平出鼻を突くと見せ國の右を繰って一本背負に行きしが、國は上から左の猿臂を伸…
○回向院大相撲 ・昨日(六日目)は雨後の泥濘を事ともせず早朝より詰め掛けたる観客多く、各桟敷土間とも満員となれり。 ・照日山に立嵐は、左四つにて挑みしが突出して照の勝。 ・梅錦に宮ノ浦は、梅例の負い投げに行きしを宮は大兵…
○回向院大相撲 ・昨日六日目の同相撲は雨天のため休場したるが、午後晴天となりしゆえ本日は太鼓を廻さずに開場するという。 ○東西力士えりぬき評 ・猛虎怒慵して天も地も震駭しつベき両国回向院大場所の壮観は連日の紙上に載せ来れ…
○回向院大相撲 ・昨十二日(五日目)は、朝来雪を催すべき空合なりしが、ようやくに持直したると好角家の希望する好取組の多かりしかば各桟敷とも前夜より悉皆売り切れ午前十時頃には立錐の余地なく大入り客止めの好景気なりし。 ・怪…