明治24年春場所8日目 (毎日新聞/明治24.1.18)
○回向院大相撲 ・昨日八日目は当場所第二の大景気にて、貴顕方には徳川公、吉田子、本田男、其の他の方々をも見受けたり。 ・大泉に鬼鹿毛は、左四ツ鬼は例の合掌にて首ナゲを打ちしも防がれしかば今度はスクワンと試みるも、敵は始終…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
○回向院大相撲 ・昨日八日目は当場所第二の大景気にて、貴顕方には徳川公、吉田子、本田男、其の他の方々をも見受けたり。 ・大泉に鬼鹿毛は、左四ツ鬼は例の合掌にて首ナゲを打ちしも防がれしかば今度はスクワンと試みるも、敵は始終…
○回向院大相撲 ・昨日七日目は力士の顔触れと云い、殊に物日なれば午後一時頃は場内立錐の余地なき程にて一時は人浪打ちてどよめき、又は争闘を始めて巡査が制するなど非常の景気なりし。 ・達ノ矢に泉瀧は、達は敵が無遠慮にも突き入…
○回向院大相撲 ・昨日六日目は賽日とて中々の大景気なり。 ・真力に北海は、立上り突合い北は右をハヅに当て無闇にヨリ来るを、真は此処ぞと体をカワシ土俵を開きたれば敵は一転して背後より腰を預け外スクイにて北勝を得たるは近来珍…
○回向院大相撲 ・昨日五日目黒田、渡辺等の各貴族院議員をも見受けたり。 ・鬼鹿毛に筑波山は、術師だけに面白く立上り筑波が左を差し仕掛け行くを、鬼はこれを挟み手強く絞りながら足クセ下手投を打ちしが敵もスカさず残しツツ打ち返…
○回向院大相撲 ・昨日四日目の同相撲は前日に倍したる景気にて、池田侯爵その他の貴顕方を見受けたり。 ・泉瀧に筑波山は、泉が左差しにてヨリ切らんとせき立て来るを筑波は泉川で押返さんとせし時、敵は早くも前袋をサグリ寄り二本差…
・昨日三日目は観客出盛りの頃尾張町の出火にて観客も如何あらんと思いしに、かなりの景気にて貴顕方の内には佐々木伯その他の方々及び府知事が好角家なりとのせいにや何時になき郡区長の総見物をも見受けたり、もっとも鈴木、奥倉の二区…
○回向院大相撲 ・一昨日の二日目は日曜にて観客の足取りも早く、午後一時頃には稍々二千人ばかりにも達し、貴族院議員池田蜂須賀の二侯、渡辺安藤の各議員及び衆議院議員の人々をも見受けたり。 ・鬼鹿毛に大蛇潟は、左四ツ鬼は上より…
○回向院大相撲 ・好角家の待ち構えたる一月大場所は、いよいよ昨日より初日となりしが今回は出精相撲等もありし事なれば、これを見物せんと初日にしては景気よき方なりし。 ・北海と海山は、北左差しに出掛け来るを上より絞り小手投げ…
○九日目限りの大相撲 ・回向院の皐月相撲興行中は、かねても記せしが霖雨と力士欠勤のため観客の足取り悪く、ために損耗を醸せし金高は三千円余に上り、部方(年寄)七十七人がこの損耗を担当する事に決したるも、年寄中一人にて四十円…
・昨日九日目勝負は左の如し。 ・鬼鹿毛に外ノ海は、鬼左を引張り込み挟み附けて例の得意に極めんとするを、外はこれを預け右をハヅに当てヨラんとするとき、鬼は足クセ小手投げを打ちしも外はかねてかくぞと知るものから開いて防ぎツツ…