明治22年春場所3日目 (毎日新聞/明治22.1.22)
○回向院大相撲 ・海山に千年川は、海右差しに行きしを千年突張りながら差さんとする時、十八番の逆ヒネリにて海山の勝。 ・八幡山に綾浪は、左四ツ揉合い合四ツにつがい大相撲となりて、互いに敵の隙を伺ううち水入りのち前の如くにて…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
○回向院大相撲 ・海山に千年川は、海右差しに行きしを千年突張りながら差さんとする時、十八番の逆ヒネリにて海山の勝。 ・八幡山に綾浪は、左四ツ揉合い合四ツにつがい大相撲となりて、互いに敵の隙を伺ううち水入りのち前の如くにて…
○回向院大相撲 ・一昨二十日は日曜にて、殊に寒気も正午頃よりやや緩みたれば通常の二日目よりは幾分の景気を増し、貴顕方には徳川公、副島、吉井、佐々木の三伯、吉田子、安藤議官等を見受けたり。 ・野州山に千羽ヶ嶽は、野州の左差…
○回向院大相撲 ・一月早々興行する筈なりし同場所も、力士中の紛紜ゆえ久しく延引しようやくの事にて昨日初日とはなりぬ、当日の景気は初日にしてはまづ宜しき方にて、毎年の常客安藤元老院議官は例年通り来り居られたり。 ・鬼ヶ谷に…
○回向院大相撲 ・一昨二十七日の十日目は日曜なれば平常の千秋楽よりは景気よき方なりし。 ・若ノ川に唐辛は、巧者同士なれば目覚ましき角觝を結ぶならんと、観客は望みをこの一番に嘱せしものの如き有様なり、さて力士は無造作に立上…
○回向院大相撲 ・昨日九日目は芳川野村の二次官、徳川公爵、蜂須賀侯爵の方々を見受けたり。 ・今泉に楯甲は、立上り今は得意の左差しとなりて右を当て攻め付け行くを、楯これを残し防がんとせしを、スクイ投にて今の勝。 ・小錦に梅…
○回向院大相撲 ・昨日八日目は黒田総理大臣、山田司法大臣、蜂須賀侯爵、野村子爵、安藤綿貫等の各元老院議官をも見受けたり。 ・芳ノ山に鬼鹿毛は、いづれも巧者同士なれば目覚しき働きこそあらめとの評の如く、立上るや鬼は無残に突…
○回向院大相撲 ・平ノ戸に黒雲は、立上り雲は右差しとなりてヨラんとするを、平は絞り極出さんと意気張りしも残されしかば土俵際にて振出さんとするを、エンヤと残りて揉合い水入りしのち攻合い引分は好し。 ・伊勢ノ濱に常陸山は、左…
○回向院大相撲 一昨日六日目は日曜にて殊に好天気なれば観客すこぶる多く、其のうち森文部大臣を始め蜂須賀公使、徳川公爵、吉田子爵、川村伯爵、安藤元老院議官、陸海軍将校方をも見受けたり。 ・九紋龍に緋縅は、九左差し付け入りし…
○回向院大相撲 ・昨日の五日目は前日に倍したる大景気にて、実に立錘の余地なき入なりし、貴顕中には伊藤枢密院議長、西郷海軍大臣、野村逓信次官、芳川内務次官、林、安藤の二元老院議官その他徳川公爵等の方々をも見受けたり。 ・芳…
○回向院大相撲 ・昨日四日目は中々の大景気にて、貴顕中には黒田内閣総理大臣、吉井副島二枢密顧問官をも見受けたり。 ・勢力に鬼鹿毛は、左四ツ互いに右手を首に巻き勢は一ツ投げを試みしが、残してスクイ鬼の勝。 ・黒雲に緋縅は、…