○大相撲
出世大相撲は来る二十日開場の予定なることは前号に記したるが、近々両陛下御還幸あらせらるるよしを聞き及び、更に協議のうえ六月一日開場のことに決しそれぞれ出稼ぎ先へ通報したるよし。
○力士の給金付
・出世大相撲当興行における幕の内力士の給金付は左の如し。
金九十円 西ノ海 金三十九円 大 碇
金八十円 小 錦 金三十五円五十銭 谷ノ音
金六十四円五十銭 朝 汐 金三十九円二十五銭 大 砲
金三十六円 外ノ海 金三十四円 鳳 凰
金五十一円五十銭 若 湊 金二十六円 海 山
金四十四円五十銭 響 升 金三十九円五十銭 大戸崎
金三十六円 北 海 金三十五円 大 纒
金二十四円五十銭 越ヶ嶽 金六十二円 大 達
金二十六円 玉 龍 金二十三円 小松山
金二十五円 天津風 金二十二円 一 力
金四十四円五十銭 出羽ノ海 金二十六円 鬼鹿毛
金二十二円 高ノ森 金二十八円五十銭 大蛇潟
金三十三円五十銭 大 泉 金二十九円五十銭 高 浪
金二十三円 響 矢 金二十円二十五銭 梅ヶ崎
金二十二円 不知火 金二十八円五十銭 鬼ヶ谷
金二十二円 鉞 り 金二十一円 小天龍
金六十円 大戸平
(6.1)
日清戦争の間、広島に大本営が置かれていましたが、明治天皇はその指揮のため広島に滞在しており、戦争が終結したために東京へ帰ってくることになりました。もちろんこれは国を挙げての大きな行事であるため本場所もしばらく延期となりました。力士たちの巡業も延長となりそうです。さて力士給金が記事になっていますがさすがにキャリアの長い横綱西ノ海はダントツに高く、小錦が続いています。大碇は先場所の好成績を受けて大関に昇進しましたが、キャリアはまだ短いためそれほど高くありません。力士の給料は積み上げ式で下がることが無いのでベテラン大達や出羽ノ海が周囲の平幕力士よりずいぶん高いのが目立ちます。