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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治19年夏場所8日目 (毎日新聞/明治19.5.23)待ったは認められず

Posted on 2006年11月28日2026年2月15日 By gans 明治19年夏場所8日目 (毎日新聞/明治19.5.23)待ったは認められず へのコメントはまだありません


○回向院相撲
・雨天の為に順延せし同所の相撲は、快晴に付き昨日が八日目にて当日の勝負付は左の通り。
・九紋竜は押切て緋縅に、綾瀬川は櫓にて浦湊に、伊勢ノ濱はカタスカシにて桐山に勝。
・さて八幡山に真鶴は左四ツとなり、機を伺いては相撲いしかど相撲達者の若同士いづれも油断なく大事を取って水となり後、引分けとなりしかど一体大相撲にはあらざりき。
・千羽ヶ嶽に常陸山は、千羽敵の二本をキメ足クセに行きたりしが自からツブレて常陸の勝。
・鞆ノ平に一ノ矢は立上りて小手先に突張り合い、隙のありなば組入らんと双方にらみ合いしがやがて一ノ矢振り放して左を差さんとなしけるを、鞆はイヤダと逃げ身になるを付け入り押切の勝。
・大鳴門に大達は、大達ちょっとの立後れのように見えしが、どこからでも立つエラ物ゆえ難なく引受けし其の時には大鳴門が押切らんかとうたがいしが、残って暫時いどみ合いしもハタキ込で大達の勝。
・廣ノ海に竜門は左四ツとなり、廣が寄り来るを土俵際にて竜門釣出さんとして双方の体流れしが、廣ノ海の踏切り早くまず竜門の勝なりしに団扇はかえって廣ノ海へ上り、物言起りしにぞ場面だけの預りとなりしは東西の力士とも行司の案外に吹出せり。
・知恵ノ矢に嵐山は立合い知恵が左を差すを、心得たりと泉川を極め放して難なく勝は美事なりし。
・鶴ヶ濱に高ノ矢は、立上り高ノ矢右を差し三ツを引き釣らんとする時、鶴はマッタマッタと言いけるうち釣出して高ノ矢の勝となりしに、鶴はマッタを言いしに聞き入れざるは不法なりと物音を付けたり、行司は既に立上り三ツに手の移りし以上はマッタをいうも其の効なしと争いしが、時間の遷延を恐れて土俵だけを預りたり。
・友綱に高千穂は、突掛け中高千穂はヒッカケて鉄砲カマせし其の時に友はよろめき土俵際に至りしが立直りて、組み付きざま高千穂を行司溜まりへ寄倒せしが、初めよろめきし其のみぎり友綱に踏切ありとて行司には高千穂に団扇を上げしに又もやここに争いを生じ、年寄その他の奔走にて行司の預りとなす事に披露せり。
・剣山に西ノ海は、剣が突掛る左を泉川にキメ引立て剣の体行司溜りへ後づさるを付入り、ヤハヅとなせし其の時は剣の危うく見物はあれあれという内に、そこは大関防いで残り土俵の中央に進み出でちょっと争う時西は足クセを巻きざまスクイ投げを行きたるを剣は切返して勝を得たり。

【鶴ヶ濱-鷹ノ矢】
記事では「高ノ矢」と書かれていますが、二段目力士・鷹ノ矢が前頭3・鶴ヶ濱と対戦。段違いの取組ですが、西方の幕内に休場者が続出しているため仕方ありません。鷹ノ矢が右を差して吊りに行くと、鶴ヶ濱は吊り出されながら待ったを主張。立ち上がってマワシを引いた時点で待ったは認められない、と行司は説明しますが、揉めて時間を浪費することを避けるために預かりという裁定になってしまいました。
【剣山-西ノ海】
剣山が突いて出ると、西ノ海はその腕を取って得意の泉川からハズ押しで土俵際まで攻め込みます。剣山は何とか残し、西ノ海はさらに足を絡めながら掬い投げに行くところを剣山が切り返して勝利。危ない場面もありましたが、大関・剣山が土付かずの7勝目を挙げました。
明治19年夏場所星取表

大相撲

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