明治26年春場所8日目 (毎日新聞/明治26.1.21)
○回向院大相撲 ・昨日八日目の同相撲は満場立錐の余地なく溢れて力士仕度部屋の屋根にて見物せし人も中々多く、同盟倶楽部の楠本正隆、中村彌六等の諸氏二十三日は衆議院の大場所にて軟派議員との相撲あれば其の間志気を鼓舞せんとてか…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
○回向院大相撲 ・昨日八日目の同相撲は満場立錐の余地なく溢れて力士仕度部屋の屋根にて見物せし人も中々多く、同盟倶楽部の楠本正隆、中村彌六等の諸氏二十三日は衆議院の大場所にて軟派議員との相撲あれば其の間志気を鼓舞せんとてか…
○回向院大相撲 ・昨日六日目の同相撲は、大戸崎大碇、大戸平朝汐などの取組が呼び物となりて朝来観客の足取り繁く、正午頃に至りては早や普通場所売切りし程にて徳川公、板垣伯、米田男等を始め貴衆両院の議員諸氏をも見受けたり。 ・…
○回向院大相撲 ・昨日五日目の同相撲は、相変わらずの大景気にて午後二時頃に至りては早や立錘の余地なく、貴顕方には近衛公その他を見受けたり。 ・大蛇潟に小松山はいづれもちから力士なれば到底目覚ましき相撲にはなるまじと諦めた…
○回向院大相撲 ・昨日五日目の同相撲は、前日の如く場内立錘の地なきに至れり、徳川近衛の二公は貴族院との掛け持ち忙しき間に午後三時頃二公馬車を駈りて来場せり。 ・大纒に雷山は、左四ツ纒は外してしきりと内ワクを試みんとの企て…
・昨日四日目は賽日なれば藪入の子供連中もっとも多く、正午頃に至りては流石に広き同場も立錘の余地なかりし、此の日板垣伯を始め其の他の貴顕紳士を見受けたり。 ・小天龍に響矢は、響相変わらず立合い汚なきゆえ数回化粧立の後立上り…
○回向院大相撲 ・一昨日三日目の相撲は、日曜と云い朝来微風だもなきいと麗らかなる好天気なれば観客の足取り繁く、午前には早や場内立錘の地を余さざる程なりければ、にわかに桟敷を四隅に建て増し好角家は三四日前より付込みをなした…
○回向院大相撲 ・昨日二日目は午前のうち客足はかばかしくなかりしが、午後二時頃よりふつふつ来場者ありてほとんど前日に劣らざる景気となれり。 ・勝平に天津風は、方今頭角を現したる幕下力士中もっとも錚々の聞こえある力士の立合…
○回向院の大相撲 ・昨日より開場せし回向院の大相撲は、初日とは云いながら出世力士の多きと取組中面白きもの数番ありしより意外の大景気にて、貴顕方もかなりに来場せしが好角家の近衛徳川二公の見えざるは全く貴族院開会のためなりと…
・昨日十日目の同相撲は、降雨のため観客も至って少かりし。 ・雷山に藤ノ嶽は、左四ツ蹴返して藤の勝。 ・小松山に鳳凰は、左合四ツにつがい互いに撓め合い水入りてのち一寸と揉合い引分。 ・高千穂に千代ヶ崎は、左四ツヤグラ投げで…
○回向院の大相撲 ・一昨九日目の日曜は午前の内は兎角観客の足取り悪かりしが、午後一時頃より客足繁く二時頃に至りてはほとんど場内余地なき有様にて、例により徳川近衛の二公、渡辺貴族院議員その他の方々を見受けたり。 ・響矢に大…