○回向院大相撲
・響升に大碇は、右四ツ響は無闇にヨラんとするを残して揉合ううち、碇二本差にて下より組付き角觝ううち水入り、のち響左上手を引き揉合い、取疲れて引分。
・大纒に谷ノ音は、立合いに大右を差し谷は左にてハヅに当て突落さんとするを残し揉合い、纒は左を差さんとアセルを巻返しつつ谷これを防ぐうち、すでに纒二本差しとなり揉合い水入り、のち取疲れ引分。
・北海に楯甲は、右四ツ甲上手を引き釣らんとするを残し、海はハヅに当て揉み合い水入り、のち揉合い引分。
・大則戸に大蛇潟は、則戸の左差しを大蛇上より絞り防ぎ揉合い、水入りてのち挑み合い引分。
・高浪に響矢は、左四ツ釣出して響矢の勝。
・今泉に山響は、合四ツに互いに釣合い水入りてのち挑み合い、取疲れ引分にて同場の千秋楽を終わりたり。
○二十日会の相撲
・二十日会員には本日(晴天なれば)両国回向院に於て相撲を催すよし。
○横濱相撲
・剣山、一ノ矢の一行は来月一日より横濱に於て花相撲を興行するという。
千秋楽はいつもの十両以下の相撲です。水入り引き分けの相撲ばかりですが、この顔触れはのちに幕内・三役で活躍する力士たちがほとんどで実力が拮抗していたのでしょう。新しい時代の到来を予感させます。
明治22年春場所星取表