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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治22年夏場所2日目 (毎日新聞/明治22.5.14)

Posted on 2007年4月26日 By gans 明治22年夏場所2日目 (毎日新聞/明治22.5.14) へのコメントはまだありません


○回向院大相撲
・昨日二日目はなかりの景気にて、貴顕方には吉井伯吉田子等の方々を見受けたり。
・千年川に知恵ノ矢は、持出して千年の勝。
・北海に司天龍は、立合烈しく北は右をハヅに構い司は右を差して互いに仁王立となりし時、司の唇より出血せしため預りは遺憾なりし。
・嵐山に真鶴は、いづれも鋭き力士なれば難なく立上り、真は左手を差さんとせしを引張り込んで嵐泉川に極めしが、離れて左四つにて揉み合い嵐は下手投げを打ちしが防いで相四ツ大相撲となり、水入りてのち真鶴はしきりに仕掛るを嵐は防ぎ一方にて、遂に取疲れ引分。
・若ノ川に八幡山は、当日一二の相撲なれば場内なんとなく騒がしかりき、さて力士は丁寧に仕切りて立上り、早くも若は左を差し敵の前袋を取らんとせしが、八幡は泉川に極め満身の力を出して攻めヨラんとするを若は此所ぞ大事と堪えたる時、得意の蹴返しにて八幡の勝。
・小錦に伊勢ノ海は、ヨリ切て錦の勝。
・若湊に大泉は、立合いすこぶる堅くなり化粧立ち十数回に及びし後、若は勢い込んで突張り行くを泉はマッタと言いながらスクイ投を打ちしは見事なりしが、己れマッタと言いしため相撲にならざりしは愛嬌、それより又々数回立直しようやくの事にて立上り、左四ツヨリて若の勝は泉贔屓は残念なりしならん。
・一ノ矢に上ヶ汐は、一敵の老いぼれしより少しく侮りし体にて、立上るざま無闇と左を差しヨラんと付け入る時、引張り込みトッタリにて上ヶ汐の勝は真に老練。
・北國に真力は、押切りて北國の勝。
・伊勢ノ濱に平ノ戸は、平左差しヨリ行くを伊勢はステバチにて首投げに行かんとせしが、前袋を取り釣出して平の勝。
・芳ノ山に響矢は、左差し突放して芳の勝。
・大纒に鬼ヶ谷は、鬼右差しとなりしを纒はこれを極めヨリツツ棄てんとせしを、土俵を廻り渡し込みしが残りしゆえヒネリて鬼の勝。
・常陸山に谷ノ音は、左四ツにて互いに撓め合いヤグラ投げにて谷の勝。
・鞆ノ平に響舛は、左差しヨリて響の勝。
・西ノ海に春日野は、泉川にて西の勝。
・今泉に大鳴門は、立上り今は得意の左差しヨラんと攻め付るを鳴門は挟みてヒネリし時、今は土俵を廻りツツ敵の前袋を取りて競り合いしが、其のうち水入り今は二三席巻落さんとせしを鳴門ようやく防ぎついに取り疲れ引分となりて当日の相撲を終わりたり。

一ノ矢に土、どんな相手でも油断をしてはいけません。大鳴門が今日から出場して引き分けましたが、これは今泉の力量を褒めるべきと言えましょう。積極的に攻める姿勢もいいですね。大泉は今場所新十両ながら筆頭と大躍進、しかし待ったを言いながら投げを打つとはどういう人なんですかね(;・ω・)
明治22年夏場所星取表

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