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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治24年夏場所8日目 (毎日新聞/明治24.5.19)

Posted on 2007年9月3日 By gans 明治24年夏場所8日目 (毎日新聞/明治24.5.19) へのコメントはまだありません


・昨日八日目の相撲は随分倦欠すべき角觝ありて実に掲載すべき価値なきもの多く、且つ緊要なる原稿多きを以て方々目覚ましき勝負のみを記さん。
・大砲に高ノ戸は体格並びに力量に至りては高の大に劣れる実に比すべきものならざれど、相撲巧者なる事はまた大の高に及ばざる数等なれば此の取組こそ面白からんと観客はいづれも立合い如何にと待ち設けたるに、力士は無造作に立上り高は籠絡して勝を制せんと付入るを、大は邪魔なりとの面体にてこれを払い除ければ高の体はよろよろとして、立て直して付入ればまた払い除けてショロショロは滑稽なりとて満場大笑、なお高は敵の右を引張りて廻らんとせしが、ナンダと言わんばかりに預けられ腰をつきて大砲の勝はどよめきたり。
・八幡山に朝汐は、八幡右差し攻め来るに朝体を開いてトッタリを打ちしが早くも内ワクで八幡の勝、此の時八幡贔屓の一人は土俵に現れその勝を得意顔に賞する中、溜よりは朝贔屓なる横浜の八百屋踊り出で朝を賛するより一場の活劇を演じたる末、巡査の厄介者となりしは又一興と云うべし。
・大達に谷ノ音は、化粧立をなす気にてヨイショと大悠に出たるに、谷は応と立上れば達は大いに狼狽せしを付入り、難なく二本差しとなりしが諸ろに極め撓め出して大達の勝。
・若湊に響升は、数回の化粧立にて立上るや若は例の突張で攻上るを、響は危うかりしも辛うじて残しツツ左を差してヨリ返せば、敵は絞りてヨラんとすれど響は右をアテアオリけるより若は耐ゆる事あたわざるより離れて再び突張らんとせしが、烈しく付入り押切りて響升の勝で打出したり。

前日あたりから相撲内容が悪くなり、ついに記者も書く気がなくなってしまったのでしょうか(;・ω・)いきなり登場する大砲(おおづつ)はのちに横綱となる巨漢力士で、まだ幕下ですが注目を浴びています。体格を生かした相撲で盛り上げました。その後も土俵への乱入者あり、人気者大達の力相撲もありましたが、全体的にはあまり面白くなかったようですね。
明治24年夏場所星取表
番付外・大達羽左エ門

大相撲

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