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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治24年夏場所9日目 (毎日新聞/明治24.5.20)

Posted on 2007年9月4日 By gans 明治24年夏場所9日目 (毎日新聞/明治24.5.20) へのコメントはまだありません


○回向院の大相撲
・昨日九日目の同相撲は、観客めっきり減じたるゆえか活発なる取組みなく、うち少しく面白きものだけを記さん。
・大達に平ノ戸は、立上り平は突掛けツツ踏込み行くを一寸と突き戻し左四ツにつがい、直ぐスクイ投げを打ちしに敵は此処ぞ外すべからずと得意の外掛けモタレ込んで平ノ戸の勝は達はめられたり。
・大泉に谷ノ音は、当日第一等の相撲なれば勝負如何にと思ううち立上り、右四ツにつがい泉は腰を落しヨリ身を見せ釣りたるも、敵も巧者なればこれを残し谷は前袋を引かんとサグリ行くも肘を張りて防ぎ水入り、のち泉再び釣らんとアセレバ谷は防いでヨリ切らんと互いに競い合い、取疲れ引分。
・剣山に達ノ矢は、無造作に立上るや剣は突掛け付入るを、左を引張り込み体を廻し押出して達ノ矢の勝。
・八幡山に響升は、立上り八幡素早く左差しとなり攻めヨレば、響はこれを上より絞り得意の右アテでヨリ返さんとすれば八幡はとっくにこれを知るより解いて更に突掛け行くを、身を廻し手強く突出して響升の勝は大受け。
・若湊に朝汐は、立上りざま直ぐ突張りて若湊の勝にて打出したり、剣、八幡とも昨日まで砂付かざりしが両力士とも終りの日に敗を取りしは遺憾なるべし。

前日と同様、活気に乏しい日だったようです。ここ2日間は広角組に白星がなく相撲内容も悪かったのでしょうか、何人も出場しているのに記事に名前が全く出てきません。幕内最優秀成績は新大関の八幡山で6勝1敗2分け、東方の強豪がほとんど休場してしまったのが八幡山にとって幸運だったと言えます。土付かずのままキレイに終われず、見ている側も何となくスッキリしないのは明治の記者も同じ心境のようですね。
明治24年夏場所星取表

大相撲

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