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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治16年春場所千秋楽 (東京横濱毎日新聞/明治16.1.21)

Posted on 2006年8月13日 By gans 明治16年春場所千秋楽 (東京横濱毎日新聞/明治16.1.21) へのコメントはまだありません


・昨日回向院千秋楽の相撲は観客およそ五百人。
・(中人前)芝田山に若山は、取組のよきより観客の気入よかりしが、双方立上るや突張り或いは跳ね合いようやくにして取組みしが、其のまま動かずついに取疲れて引分。
・早虎に鶴ヶ濱は鶴ヶ濱の勝、増位山に取倉は乱れて揉合い勝負付かずして引分。
・(以下三役)一ノ矢に黒縅は十分念入りて立上り、互いに小手先にて揉合い中々取組まざりしが、一ノ矢はもどかしくや思いけん、たちまち敵の後ろに廻りて抱付き押行きしかば黒縅は詮術なくタジタジと押さるばかりゆえ、ついに踏切り一ノ矢の勝はいと面白き勝負なり。
・出釈迦山に菊ヶ濱は、菊ヶ濱ちょっと危く見えしが、取直して出釈迦山を「うっちゃ」り菊ヶ濱の勝。
・伊勢ノ濱に日下山は仕切も十分花々しく立上り、暫時手と手にて渡り合ううち伊勢ノ濱は下へ潜らんとしきりに敵の隙を窺う様なりしが、日下山は始終相撲を大事になしついに二本とも入れてジリジリと寄り行きければ、伊勢ノ濱はついに踏切りて日下山の勝、よって弓取の役は日下山之れを勤め今日の大関に叶う日下山と名乗を受け、其の他の式も滞りなく相済みて目出度き打出となりたり。

先場所もそうでしたが、結びの一番の取組の直後に弓取りがあってその後に勝ち名乗りを受けていますね。現在とは順序が違います。しかも代理を立てずに結びの勝ち力士本人が弓取りを行っています。なかなか大変そう。一ノ矢(いちのや)はこの場所の地位が西の二段目11枚目ですが、翌場所は一気に新入幕となります。幕内の定員が増えたり十両の好成績者が少ないという幸運に恵まれたわけですが、10枚目以内(十両)を経ずに入幕というのは異例の昇進です。
明治16年春場所星取表

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