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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治17年夏場所9日目 (東京横濱毎日新聞/明治17.5.27)大達が8勝0敗1分

Posted on 2006年9月22日2026年1月26日 By gans 明治17年夏場所9日目 (東京横濱毎日新聞/明治17.5.27)大達が8勝0敗1分 へのコメントはまだありません


・昨日九日目の相撲は、いつもの九日目とはズッと違い大入りというて可なり、且つ日末ながら西郷山田両参議を始め参事元老両院の議官方も来観ありて、いとも景気よかりし。
・(中入前)平ノ戸は野州山に、千草山は柏木に、藤ノ戸は兜山に、綾浪は伊勢ノ濱に勝。
・さて幕の内に移りて清見潟に廣ノ海は、清見が右を差して来るを「泉川」に極め放して廣の勝。
・荒飛に一ノ矢は、左を差し「掛投」て一ノ矢の勝。
・剣山に千羽ヶ嶽は、「左四ツ」より「出し投」て剣の勝。
・次は梅ヶ谷に西ノ海なり、名乗と共に涌き出でたる喝采の声かまびすしく、之までになき人気なりし、他ならず二日迄敗を取りし梅ヶ谷今日もどうかと観客が心に思う故ならん、さる程に力士は立上り突掛け「左四ツ」となり互いに相撲を大事にためらううち水入り、後もこの手にてちょっと揉出でしとき東西の溜りにいたる千羽ヶ嶽一ノ矢等が手を上げて引分を行司年寄に勧むる途端「引落」しに掛かりて西ノ海の体流れ梅関の勝。
・(中入後)立田野は達ヶ関に勝。幕に移りて、常陸山に稲ノ花は「一突張り」して常陸山の勝。
・柏戸に海山は、念入りて立上り跳合いて「左四ツ」となり、海山上手を引き遮に無に「釣出シ」て勝。
・高千穂に鶴ヶ濱は、高の右を「泉川」に極め揉合いし末、泉を崩し「出シ投」となりて鶴の勝はなかなかの喝采を受けたり。
・上ヶ汐に武蔵潟は、武蔵が付けじと小手を動かせし甲斐もなく、ついに上ヶ汐が右を差したり、されば武蔵潟も右を差しすなわち「右四ツ」となりて揉出でしとき、上ヶ汐は例の「カワヅ」にて馬大的の武蔵をヒックリかえせしは是また見事の腕前。
・さてその次最後の相撲は何かさて大鳴門に大達なり、土俵に上がるや大鳴門大鳴門と叫ぶ観客多し、人情は妙な物で梅に勝たる大達なればどうか大鳴門に花を持たせたしとは弱きを助ける江戸ッ子の気質ならん、さても両力士は十分仕切て大鳴門が立掛けし時、大達はちょっと立ちおくれせし如くよそ目には見えしが、是れ大達の持ち前にて怪しむべき事にあらず、勝ち誇りたる大達が遮に無に「押切」らんと突張て行くを大鳴門は防ぎ得ず「腰を砕き」て難なく大達の勝となり連日の功を称する声は又一層の雑踏を添えたり。

【上ヶ汐-武蔵潟】
小兵と大兵の対戦ですが、右四つとなった後、上ヶ汐が河津掛けを決めて6勝目を挙げる好成績。武蔵潟は6敗目、長く三役で活躍してきましたが、衰えが見えてきたでしょうか。
【大鳴門-大達】
関脇・大鳴門はここまで引き分け、預かりがあるものの土付かず。小結・大達との対戦ですが、とにかくこの場所の大達は手の付けようがなく、相手のタイミングをずらすような得意の立ち合いの後、一気に押し込んで押し倒し。大達が8勝目を挙げて幕内最優秀成績となりました。
明治17年夏場所星取表

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