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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治18年夏場所4日目 (東京横濱毎日新聞/明治18.5.26)

Posted on 2006年10月16日 By gans 明治18年夏場所4日目 (東京横濱毎日新聞/明治18.5.26) へのコメントはまだありません


○回向院大相撲
・一昨日四日目の勝負付は左の如し。
・勢と竜ヶ鼻は、左四ツ寄りて勢の勝。
・綾浪に鬼鹿毛は、突掛けて左四ツとなり寄って綾浪の勝。
・伊勢ノ濱に鶴ヶ濱は、鶴が二本差して行く所をキメダシて伊勢の勝。
・廣ノ海に綾瀬川は、綾瀬寄り来る所を足クセを巻きモタレコンで廣の勝は感心。
・上ヶ汐は寄って出釈迦山に勝。知恵ノ矢に高千穂はトッタリにて知恵ノ矢の勝は是れまた感心。
・大鳴門に千羽ヶ嶽は寄って大鳴門の勝、高見山に柏戸は右四ツ下手投にて高見山の勝。
・鞆ノ平に常陸山は釣出して鞆ノ平の勝、大達に武隈は難なく突張て大達の勝。
・剣山に海山はハタキ込で剣山の勝。

○両振分の和解
・相撲年寄、故振分忠蔵の跡は其の門人麓川が相続し名前を譲り受くる筈なりとの事なりしに、何故にや同じ門人なる四ツヶ濱は早くより師匠の名前を名乗り居るにぞ、こは不都合の至りなりと麓川は四ツヶ濱へ一談判に及び、そも己れは師匠の遺言に依りて跡目を引受け、去る十六年より賽母(故振分の未亡人)をも扶持し居れば振分の名前は己れ相続するこそ当然なるに、汝一言の断りもなく其の名跡を奪いしは何故ぞとの掛合に一場の悶着を惹起し、既に勧解へも持出すべき勢いなりしを相撲年寄根岸治右衛門、甲山力蔵、粂川新右衛門ほか両三人の仲裁にて種々の取り計らいもありし末、麓川は強いて振分の名義を取るときは四ツヶ濱は営業上にも難渋すべしとの趣も薄々聞く所なれば思い切てこの名義は同人へ譲り、己は他の年寄の名義を相続せんとの事に、高砂浦五郎は如何にも麓川の了見が殊勝なれば相当の名義を継がせたしとて前の仲裁人もろとも尽力し、遂に放駒の名前を相続せしむる事に決し、右の紛議もここに初めて局を結び目出たく手打となり、大場所の中日(五日目)に放駒に改名の披露をする事に決まりしと。(5.28)

相撲以外の記事に押されてスペースがありません。4~5年前のような、あっさりした取組描写になりました。年寄の跡継ぎ争いはたびたび起こりますが、現在のように幕内や十両をある程度経験しなければならないという規定が無いため、力士としては無名でも年寄になることが出来ました。
明治18年夏場所星取表

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