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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治18年夏場所5日目(東京日日新聞/明治18.5.31)

Posted on 2006年10月16日 By gans 明治18年夏場所5日目(東京日日新聞/明治18.5.31) へのコメントはまだありません


○大相撲
・友綱に大達の相撲は、立合いながら友より焦って突掛けたれど、押し切りて達の勝。
・剣山に常陸山は、立ち合い掛けに剣は矢筈を掛け二三合厳しく攻め立て土俵際にて突き落さんとせしが残って入れ違い、また剣より矢筈にて攻め立つるを常陸は一生懸命に防ぎながら寄り付かんとせしが、遂に剣は突出して勝。
・知恵ノ矢に嵐山は、始め知恵より右を差し嵐は左を差して負けず劣らず挑み合ううち、いかなる機会のよかりしか嵐は攻め立て攻め立てすでに知恵の危うかりしが、残って揉み合い大相撲となり、嵐は焦って釣出さんとせし時知恵は防ぐに術なく身を捨ててモタレコミ勝を得たるは大出来大出来。
・上ヶ汐に千羽ヶ嶽は、立合い千羽より汐の左手を泉川に極めこみヂリヂリ土俵際まで攻め寄せたり、汐は浮き足ながらすきもあらば足クセを巻かんと焦たつうち遂にスクイ投げにて千羽の勝も近頃の大出来。
・大鳴門に高見山は、始め突き合い右四つにて挑み合ううち、高はしきりと左手に前袋を取らんと焦だちしが、鳴門はすかさず寄り切て勝。
・柏戸に西ノ海は、ヤッと立つやいな柏は西を襷に掛けんとせしかども、力足らで逆に捻られしは残念なるべし。

○外人相撲の弟子入
・一昨日の十二時頃、本所相生町四丁目の力士浦風林右衛門方へ一人の外国人が来て、私は米国の何某と云う者にて体量は四十貫を越え、力も十人並を過ぐれたれば今日より貴殿の弟子となり日本流の相撲を稽古いたしたく、この義御承諾あらば身の大慶何卒頼み入る、との口上に、浦風も名誉の事とて喜びしが、何にしても外人雑居は禁制なればいづれその筋へ伺いのうえ兎角の返答申さんとてひとまずその外国人を帰し、改めてその筋へ伺書をしたため差出したと云う。(時事新報/5.28)

時代を感じさせるニュースです。外国人力士については詳細不明ですが、このときスムーズに入門が認められて関取まで出世していたとしたら・・?大相撲の歴史は変わっていたかも知れません。現代に大勢の外国人関取がいる状況、当時は誰が予想したでしょうか。
明治18年夏場所星取表

大相撲

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