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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治18年夏場所8日目 (東京横濱毎日新聞/明治18.6.9)

Posted on 2006年10月23日 By gans 明治18年夏場所8日目 (東京横濱毎日新聞/明治18.6.9) へのコメントはまだありません


○回向院大相撲
・一昨日八日目の勝負は左の如し。
・廣ノ海に伊勢ノ濱は、伊勢が相手の二本とも引張り込んで彼方此方へスカサズに持行きて、とうとう閂にて極め伊勢の勝。
・常陸山に友綱は気合よく立合い、跳ね合う事三度にして友綱は「ハタキ」を喰い行司溜へ泳ぎ込みて常陸山の勝。
・高千穂に鞆ノ平は、鞆が少しく後れて立ちしを、高千穂すかさず付け入て押すやら引くやら捻るやら始終先手に掛りしが、流石に鞆も達者もの、どうかこうか四ツになりヨイショとなって一息と言う所を押されて鞆は土俵際となり、こは大変と打ちゃる仕度をなす折から独りツブレて高千穂の勝。
・西ノ海に大鳴門は、例の西ノ海名代の手に大鳴門は左をしっかと絞め上げられしも、しッかり喰って堪え居るとき水となり、後ほぐれて今度は左四ツと成り、勝負なく引分けなどは力ばかりの相撲にて別に感服する事なし。
・達ヶ関に浦風は、造作も無く立ちて達ヶ関押切り勝は妙々。
・立田野に知恵ノ矢は賑やかに立合しが、二人共相撲達者の力士ゆえ土俵一杯に荒れ廻り、立田野が付け入って右を差しに来る所を此方は知恵ノ矢例の得意の「アシクセ」を巻きしが、足腰確かなる立田野は足を張りて之れを外し、後ろ様にアビセ倒して立田野の勝は随分目覚ましき勝負にてありし。
・鶴ヶ濱に綾瀬川は難なく立合い、綾瀬川は相手の左を引張り込み「泉川」にて極めもせず押しもせずと言う構えにてためらう所を、素早く鶴は左足を相手の右足へカケ前へモタレて鶴の勝は今日中で見堪えある相撲なりし。
・出釈迦山に柏戸は、押切って柏の勝。
・高見山に武隈は休。
・ソコデ大達に剣山は、名乗りが上ると場中どよめき渡り破るるばかりの騒ぎなりしが、大達も十日中の大敵なれば例の中腰の仕切りは止めて両手を降ろし謹んで仕切り、また剣山は何のと言う気合いにて構え込み、やがて立つと其のまま剣山遮に無に押して、達はやや土俵際になりし頃ヤッと一声叫んで上手より振りながら体をかえし大達の勝は実に立派なりし。

○出版
・相撲行司木村庄之助、木村誠道等がかねて取調中なる相撲古式及び四十八手解釈は近々出版するよし。

十両の取組が少ない(;・ω・)天気悪かったのでしょうか。関脇も経験したベテランの浦風はこれが最後の一番となりました。十両に下がって低迷している達ヶ関にあっさり敗れては仕方のない所です。他にこの場所を休場している48歳の清見潟、209cmの名物力士武蔵潟も土俵を去ることになり、時代の入れ替わりを感じさせる場所となりました。
明治18年夏場所星取表

大相撲

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