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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治19年春場所千秋楽 (東京横濱毎日新聞/明治19.1.23)

Posted on 2006年11月17日 By gans 明治19年春場所千秋楽 (東京横濱毎日新聞/明治19.1.23) へのコメントはまだありません


○回向院大相撲
・昨日十日目千秋楽の相撲勝負付は左の通り。
・千年川に鬼鹿毛は、足クセにて鬼鹿毛仕掛け同体にて団扇は鬼鹿毛に上り、物言預り。
・白梅に矢車は、小手投が残りカタスカシにて白梅の勝。
・谷ノ風は寄て平ノ戸に、山ノ音は押切て勢力に勝。
・さて三役中若湊は突張て三吉川に。
・龍門に雷震は、龍門二本差し右にミツを引き十分となりしを、雷震は上より巻殺してありけるに、龍門も詮方なく右にて疲れ水となりのち分。
・鳥ノ海に黒雲は、種々ありて後カタスカシにて黒雲の勝、此れにて結びとなり形の如くそれぞれ名乗を受け、弓取の役は木鼠これを勤め千秋万歳を祝し土俵祭も日出たく済んでドドンガドンと打出したり。

○給金増加
・頃日十両下の力士が不服の事ありて年寄へ対し申出たる儀は、既に聞済みて請求に応ぜし由、右については是れまで二段目の力士は一同五十銭づつ三段目は二十五銭づつ給金を増加せり、さて是れまでは弱くなりし力士も先功によりて十両の位置に置く等の事ありしが、自今給金は其のままに置くも位置は遠慮なく変更し、下々よりは其の功に依りて位置を進むる事に決したれば、今より番付も大分かわるならん、されどこは正当の事なれば至極宜しき都合と申すべく、或る年寄の曰く、左に改めざる時は老け込みて負けてばかり居る相撲も位置のよきに安心しいつまでも出勤して後進の邪魔をするに困る、とは如何さま。
○祭典相撲
・前号に記せし如く本日は一番町の出雲大社より本所緑町なる新築の社へ宿禰神社遷座式を執行するに付、黒雲勢力甲山ほか七人は先導として番町の大社へ出張し、また年寄始め幕の内力士一同は両國広小路に出迎い順次緑町へ遷座の式を行い、直ぐに同所において奉納相撲を興行す。
○相撲興行
・明くる二十四日より七日間、深川黒江町において上ヶ汐高千穂の両大関にて興行するよし。

力士の待遇改善、番付の合理化など相撲界も近代化の兆しが出てきています。しかしまだまだ不十分で、これからも力士側と年寄側はたびたび衝突していくことになります。現在の相撲界は先人の苦労の上に出来上がったものであるとつくづく思います。
明治19年春場所星取表

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