明治21年夏場所3日目 (毎日新聞/明治21.5.16)
○回向院大相撲 ・昨日三日目は大景気にて、副島伯その他の貴顕方をも見受けたり。 ・平ノ戸に綾浪は、当日第一の取組なれば場内は何んとなく騒がしかりき、さて力士は無造作に仕切りエンヤと云いざま平は左を差さんと付け行きしに、綾…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
○回向院大相撲 ・昨日三日目は大景気にて、副島伯その他の貴顕方をも見受けたり。 ・平ノ戸に綾浪は、当日第一の取組なれば場内は何んとなく騒がしかりき、さて力士は無造作に仕切りエンヤと云いざま平は左を差さんと付け行きしに、綾…
○回向院大相撲 ・昨日二日目は前日に引続きたる上景気にて、貴顕方の内には副島伯蜂須賀侯をも見受けたり。 ・今度付出したる西京の一ノ矢改名達ノ矢と谷ノ音は、音も中々油断ならざる剛力士にて殊に前日若湊を脆くも倒したるものなれ…
○回向院大相撲 ・一昨十三日の初日興行は、前日の曇天に引換え晴朗の好天気にて殊に日曜なりければ中々の大景気、観客中には珍しくも西郷伯は令息方と共に来観し居られ、其の他副島吉井の二伯をも見受けたり。 ・伊勢ノ濱に湖は、二本…
○回向院大相撲 ・一昨十五日は引続き早天よりの好天気にて、賽日の外に日曜なれば府下各所の物見場は中々に景気よく、相撲もまた十日目なるにも拘わらず近来稀なる上景気にて、徳川公爵は従者数名を随え午前より来場し居たり。 ・北海…
○弥生社行幸 ・聖上にはかねて仰出されし如く、昨日午后一時三十分御出門徳大寺侍従長御陪乗にて、芝公園地なる同社へ行幸あらせられ同五十分頃着御あるや三島警視総監、杉皇太后宮大夫その他警視官は同所倶楽部の御車寄に来迎し、三島…
○回向院大相撲 ・昨日八日目は、佐々木副島の二伯爵、徳川公爵、蜂須賀侯爵の方々を見受けたり。 ・鬼鹿毛に千年川は、一寸面白き相撲なれば如何あらんと思ううち、力士は早くも立上り突合いながら鬼は一寸蹴タグりしが残し、左を差し…
○回向院大相撲 ・昨日八日目は山田司法大臣、副島宮中顧問官、安藤議官等を見受けたり。 ・増位山に平ノ戸は、左差し押し切りて平の勝。 ・出釈迦山に真力は、押切りて真の勝。 ・伊勢ノ濱に矢車は左四ツにて揉合い、矢は無二無三に…
○回向院大相撲 ・昨日七日目は、黒田副島吉井の三伯爵、徳川公爵、蜂須賀侯爵及び黒田安藤の各議官等をも見受けたり。 ・知恵ノ矢に泉瀧は、左四ツにて互いに撓め合ううち出し投げにて知恵の勝。 ・緋縅に高見山は、突合ううち緋に踏…
○回向院大相撲 ・昨日六日目は若手力士中屈指の取組二三ありしより景気よく、観客中佐々木吉井副島三伯爵、高崎男爵等の貴顕方を見受けたり。 ・勢力に平ノ戸は、平は何の造作なき敵なりと立上りざま蹴返さんと左差シ引張り込まんとす…
・昨日の五日目も景気よく、黒田吉井副島三伯爵、黒田議官徳川公爵等の方を見受けたり、又前日まで病気なりし鶴ヶ濱は大達常陸山等欠勤のため西の方に廻り出勤せり。 ・緋縅に増位山は、二本差しヨリ切りて増位の勝。 ・真力に千年川は…