明治18年春場所8日目 (東京横濱毎日新聞/明治18.1.29)
○回向院大相撲 ・昨日同所八日目の相撲は申す迄もなき梅と大達の顔触れなれば、何ともはや申し様なき大入にて、正午頃には早くも客止めをなしたり、思うに昔時稲川鉄ヶ嶽の相撲に付いて今に残れる浄瑠璃の表にピッシャリ貼紙の張裂く木…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
○回向院大相撲 ・昨日同所八日目の相撲は申す迄もなき梅と大達の顔触れなれば、何ともはや申し様なき大入にて、正午頃には早くも客止めをなしたり、思うに昔時稲川鉄ヶ嶽の相撲に付いて今に残れる浄瑠璃の表にピッシャリ貼紙の張裂く木…
○回向院大相撲 ・昨日同所七日日の相撲は引続きし大入にて、桟敷より土間に至るまで立錘の地だにあらざりき。 ・(中入前)玉桂は八ツノ浦に、白梅は田上山に、四剣は五十崎に勝、相川に越川は引分、山ノ音は鳥ノ海に勝、朝日嶽に泉川…
○回向院大相撲 ・一昨日同所六日目の相撲は、顔触れの宜しきと日曜に当りしとを以て朝まだきより押掛たる観客の数はまづ小一万もありしなるべし、さりながら午後よりの降雨に付き既に入掛ともなるべきの所、土俵入り後の事なればとて無…
○回向院大相撲 ・昨日回向院五日日の相撲はひと際の大入にて、実に立錘の地なしとは此の日の景況をいうものなるべし、されば取組の宜しきと大相撲のたびごとには人波を打ち、押しつ押されつ雑踏云わん方なかりき、あたかも昔時の勧進相…
○回向院大相撲 ・昨日回向院四日目の相撲はいよいよ大入にて、観客はただ無数と言わんのみ。 ・我が社員は例の通り出場して其の取組景況を筆記に掛かる折しも、あれ一人の相撲来たりて、毎日新聞の社員へ面唔を要する儀ありと只今議官…
○回向院大相撲 ・昨日回向院三日日の相撲はすこぶる大入にして、その米田氏も出場し其の他貴顕紳士の来場少なからず、されどまだ日の浅きゆえか谷斉坊のあらわれず、手柄相撲のためには何分不足の様に見えたり。 ・(中入前)田上山は…
○回向院大相撲 ・昨日回向院二日日の相撲はいよいよ上景気にて紳士の来観少なからざりしが、毎年の大相撲に東の溜に一日の欠席あらぬ米田氏が本年まだ見えられぬは、何だか事が足りぬようなり。 ・(中入前)千年川は柏木に、五月山は…
○回向院大相撲 ・かねて報道せし回向院大場所は昨日を以て開場せり、本年は年寄の注意にて夜に入らぬうち打出さんとの趣向にて、午前二時より櫓太鼓の音もろとも取始めたる事なればその打ち出しも意外に早かりし、さて此日は初日とは言…
○大達破門の訳 ・オヤ大達が師匠より破門を受けたと、これは新年早々の大事変ジャとは昨日相撲好きの人々が我が毎日新聞を見ての評なるべし、いま約に随い聞き得しままの詳細を記さんに、かの力士大達はいかにも力量無双にして昨年の大…
・此の度の回向院奉納相撲は、力士社会にて野見宿禰神社修繕の為め寄付金を為さんとて興行したるものの由かつて記せしが、今聞く所によれば此の相撲は宿禰の後裔とか知らるる五條為仲君よりの依頼にて興行する訳なりと、されば土間桟敷そ…