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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治20年夏場所7日目 (毎日新聞/明治20.5.28)

Posted on 2007年1月3日 By gans 明治20年夏場所7日目 (毎日新聞/明治20.5.28) へのコメントはまだありません


○回向院大相撲
・黒縅に今泉は左四ツ、ヨリ切りて今泉の勝は感心。
・黒雲に緑山は立上り突合い跳ね廻り、ヒネリて黒の勝と思いしに、跳ね廻るとき黒に踏越ありとて年寄の関ノ戸が動議を起せしより、溜りの平ノ戸竜門は中々承知せずついには雷が出で預りとなりたり。
・平ノ戸に若湊はいずれも元気よき力士なれば、立上り若は例の左を差しヨラんとするを、泉川に極め挑むうち蹴タグりて平ノ戸の勝。
・柏戸に真力は立上り、柏は右を差し揉合ううち諸差しとなり、ヨラんとするを真は左で防ぎ右をハヅに構い互いに挑み、水入りのち揉合いしが取疲れて引分。
・千羽ヶ嶽に相生は、ヒネりて相生の勝。
・知恵ノ矢に嵐山は、釣出して嵐の勝。
・剣山に高千穂は立上り高左を差し挑みしが、離れて巻合い揉合ううち水入り、のち手四ツとなりまた離れて巻合い、勝負つかずして引分、時に怪しむべきは行司が引分けと言う際、剣は高の顔を見て笑いながら腕をちょっと叩きしに高これに目礼せしは如何なる訳か、此の相撲中剣は少しも力が入らざる様なり。
・鬼ヶ谷に真鶴は今日第一等の相撲なり、さて力士は立上り真は左を差しちょっとヒネリしが残して、左四ツとなりて揉合い釣り出して真の勝。
・伊勢ノ濱に綾瀬川は、ヨリ倒して綾瀬の勝はさもあるぺし。
・大達に鞆ノ平は立上り手四ツとなりしが、達は始終笑を含み仁王立ちになりあたかも児童が戯るる如き有様にて、互いに少しも力入れざる様なりしが水入て再び競り合い、否な戯れ引分にて打出したり。
・此の日面白き相撲なりと思いし八幡山に上ヶ汐、大鳴門に友綱、鶴ヶ濱に常陸山は休みたり。

○高砂の訴訟
・同訴訟は昨日第四回の公判廷を開きしが、同日は原被告より差出したる証拠物につきて審問ありしと、なお来六月一日第五回の公判を開く由。

休場者続出に八百長疑惑と、ロクなことがありません。これも不平病の余波でしょうか。剣山は休場が噂されていましたが、よっぽど力士がやる気を無くしているのでしょうか?こうなってくると本当に見所は十両の新進力士のみとなってきてしまいます。高砂は以前の大達との揉め事のために役員選挙などに出られなくなっており、処分の取り下げを求める訴訟を会所側に起こしています。
明治20年夏場所星取表

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