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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治22年春場所8日目 (毎日新聞/明治22.1.27)

Posted on 2007年4月11日 By gans 明治22年春場所8日目 (毎日新聞/明治22.1.27) へのコメントはまだありません


○回向院大相撲
・昨日八日目も中々の景気にて黒田、佐々木、副島の三伯。吉田子、折田警視総監、徳川公の各貴顕方をも見受けたり。
・大纒に鬼鹿毛は、突合い左四ツにつがい纒は右をハヅに当て攻め行かんと攻め付るを、一ツ揉んで鬼は得意の合掌となりてスクイしに、纒これを残さんと土俵際にて防ぎしも、突付けて鬼鹿毛の勝。
・北國に知恵ノ矢は、突張りて北國の勝。
・千年川に伊勢ノ濱は、立上りざま左差し難なくヨリて千年川の勝は余り興なし。
・綾浪に鬼ヶ谷は無造作に立上り、突合い離れて鬼手早く敵の右を引張り土俵を廻しながら落さんとするも敵は巧者にも腰を落し引き外しつつ左差し、渡込んで綾浪の勝は大受け。
・海山に小錦は、立合いに突合い直ぐ左四ツ揉合い、一寸スクイ突き手ありて小錦の勝は是非もなし。
・剣島に響矢は、左四ツにつがい下より噛み付きヨリながら渡込んで剣島の勝は好し。
・八幡山に黒雲は、立上り突合い離れて黒左を差し、続いて右手敵の前袋を取らんと探り行くを、八幡はこれを防ぎツツやや体の崩れんとする機会に肩スカシにて見事黒雲の勝は案外。
・今泉に常陸山は、立上り常陸は得意の突張を試みしが今は少しも意とせずムズと左を差しければ常陸これを絞りしも今は無遠慮にも踏込みツツヨラんとするを、敵も堪えず土俵を廻りて防がんとすでに体を変ぜんとする時、早くヨリて今泉の勝は感心。
・若湊に平ノ戸は、立合に若遮二無二突ッ張り行くを平残して右四ツにつがいしが、ナタをカマセ突張り若湊の勝はキイタ相撲。
・剣山に西ノ海は、二三度突合い離れて手四ツとなりて互いに睨み合い、解れて左四ツにつがい剣は上手を引き、引寄せざまに行かんとするを西はこれを防ぎツツ敵の前袋を取らんとアセルも、剣体を斜めにしてこれを防ぎ互いに揉合い、水入りしのち再び揉合いしが取疲れ引分にて打出したり。

結びの一番は熱戦でしたが、これから一番盛り上がる終盤戦で休場者が増えて少し寂しくなりました。こういうのは客足にモロに影響することが多いですが・・病気休場中の大関一ノ矢は9日目剣山との大関決戦が組まれました。客の入りを心配して半ば無理矢理に引っ張り出された感があります(;・ω・)
明治22年春場所星取表

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