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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治23年春場所新番付発表 (毎日新聞/明治23.1.3)

Posted on 2007年5月22日 By gans 明治23年春場所新番付発表 (毎日新聞/明治23.1.3) へのコメントはまだありません


○大相撲の番付
・回向院大相撲番付の確定せしものを聞くに、左の如し
東ノ方   西ノ方
剣 山   西ノ海
若 湊   一ノ矢
大鳴門   小 錦
嵐 山   八幡山
鞆ノ平   響 舛
鬼ヶ谷   海 山
芳ノ山   綾 浪
平ノ戸   千年川
司天龍   今 泉
谷ノ音   常陸山
真 力   若ノ川
知恵ノ矢  黒 雲
真 鶴   上ヶ汐
春日野   北 海

        張出し
        大 達
幕下頭   幕下頭
大 泉   北 國
○横濱の相撲
・同地久方町に於て興行する三府合併相撲は、一昨日非常の大入にて立錘の余地なき程なりし由、当日の勝負並びに昨日の取組は左の如し。
 勝    負
大 濱  若 森
阿武松  (藤ノ戸代)縄 張
山 響  真 鶴
熊ヶ嶽  春日野
若ノ川  大 泉
大 達  一ノ矢

○大達の客席、北海の昇進
・大達は過日掲載せし予想番付に違わず本年の番付には前頭二枚目に置かるる事となりしに、其の後同力士は昔より大関が仮病その他作り事等にて欠勤するも位置を落とすなどの事なきに、自分の如き全くの病気にて欠勤せしものの位置を落とすは不都合なりと不平を言い出し、相撲協会は一向これに構わざりしが、高砂浦五郎は独り大達の説を一応無理ならぬ事に思い、昔よりの習慣も今は規約に制せられて襲い難けれど、さりとて一旦大関たりしものを欠勤のゆえのみにて前頭二枚目とは、ちとひどき処置なり、先年阪地の磯風を客席に出したる例もあれば大達も客席にするこそ然るべけれとついに別項にもある如く本年の番付面は客席と決まりたるよし、かくて幕の内に空席を生じければ其の補欠を誰れ彼れと評議中、或る年寄は北海を推薦しついに同人が幕の内昇進の事になりしと。
・また大達は病気全快後体量は未だ充分ならざるも、本人は最早東方の力士には決して負を取らぬ、いよいよ勝越せば其の時こそ復席大関となるぞや今よりお約束申しておかんと高砂、雷等へ談判する決心なるよし。

発行された番付上では、大達は結局は「前頭」表示の張出となっています。平幕は平幕だけどちょっと別格、という雰囲気を出すグレー決着?ですが大達も納得してやる気になっているようですね。西ノ海は先場所の全勝を受けて大関へ復帰。そのあおりで6勝3敗と勝ち越した一ノ矢が関脇に陥落という気の毒なことになりました。

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