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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治24年夏場所2日目 (毎日新聞/明治24.5.12)

Posted on 2007年8月15日 By gans 明治24年夏場所2日目 (毎日新聞/明治24.5.12) へのコメントはまだありません


○回向院大相撲
・一昨日二日目は朝まだきよりの好天気にて、かつ日曜日なりければ大達の回復如何を見んものと回向院に来るもの引きもきらず、午後一時過ぎ頃には流石に広き同場も余地なきばかりにて、蜂須賀東京府知事、白根内務次官、山田福島県知事等をも見受けたり。
・大蛇潟に立嵐は、当時日の出の力士なれば此の角觝こそ興あらんと待ち設けしだけありて、立上るや否や大蛇烈しく跳掛けしを立跳ね返しながら鋭くハタキしに、敵は此所ぞと堪えしトタン飛鳥の如く踊り込み諸手をアテテ遮二無二押し来るを、斜に体を変じつつ左差しスクイ投げを打ちしが踏切りありて立嵐の勝は活発なりし。
・平ノ戸に石達は、平敵が右を差し攻め来るを絞りてナゲを試みしに、浮足を幸い石再び攻上げ来るを、内ワクを見せ手強くヨセ返し押し潰して平ノ戸の勝。
・達ノ矢に平石は、立上ると其のまま諸に挟み付け攻めながらヨリて達ノ矢の勝は、余り酷な仕方なりと溜りでの評ありしが、達の元気は恐るべし。
・鬼ヶ谷に大纒は、互いに跳ね合い鬼は例の突掛けで攻立るを纒もスカサずハタキて残し、付入り左四ツにつがい鬼はスクイつつ土俵際までヨリ来る時、敵も一生懸命棄て身を打たんとせしに其の罠にかからず咄嗟の間に変じヒネリて鬼ヶ谷の勝は流石に老練、天晴れ天晴れ。
・若湊に響矢は、二三度突合い突出して無造作に若の勝、今若湊に対するに突合う力士は小錦なるべし、しかるに響が小癪にも突き合うは誤なり、若に勝を得んとならば彼の突手を防ぎて右四ツにつがう事を注意せよ、ゆめゆめ忘ることなかれと評する者ありたり。
・響升に大戸平は、響自身より立上らざれば角觝う力士にあらずと平はかねて知るものから更にアセラズ敵の来るを待ちしうち、響はエンヤと突掛け来りし時平は立ち後れ、これを立て直すうち響スカさず二本差しとなり無闇と攻め付るを、諸に手強く極め付けコネ出して大戸平の勝は実に立派なりしが、それに引替え敗を取りし響は気の毒。
・八幡山に大泉は、左四ツヨリ切りて八幡山の勝。
・知恵ノ矢に熊鹿毛は右四ツ、知は敵の下手ナゲを足クセで防ぎしが、熊はなお釣り身となりしを知また足クセを巻きしが、体を開き上手ナゲで熊鹿毛の勝、当日大坂力士中勝を得しは同力士ばかりなり。
・真力に文明は、突張りて真力の勝。
・大達に楯甲と呼出しあるや拍手の響は大達大達の声と相和して場内にわかに騒然たり、力士は立上り左四ツにつがい甲は下より組み付き防ぐ一方なりしが、達も敵がさるものなれば少しも油断せず差し手を殺しツツ二三度ヨリ出さんと手強くコジリしに、甲鼻より出血せしに雷はこれを知るも黙然として勝負如何と睨み居るうち、検査役尾車これを認め痛所あり引分くべしとて遂に引分とはなりぬ、同相撲は九分九厘まで達の勝色なり、わずかに鼻血位にて引分るは相撲社会の不利益なりと或る人は云えり。
・春日森に北海は、立合に北敵の右足をすくわんと来るを、春日数歩飛び去りこれを防ぐと同時にかえって北の足を取らんと付入るを、敵が開いて巻込み来るを春日左差しとなり一寸とスクイ、北はハズにて攻上げ水入り、のち春なおスクわんとせしを手強く攻上げヨリ来るを、敵は土俵を廻りて防がんとせしが遂にヨリ切りて北海の勝。
・剣山に出羽ノ海は、左四ツヨリて剣山の勝。
・西ノ海に鬼鹿毛は鬼蹴返す考えなりしが、敵の右を引張り込みしをハジキて突出し西ノ海の勝にて打出したり。

この場所、大阪相撲を脱退して「広角組」を旗揚げしていた力士団体が参戦してきました。通例通りに2日目からの出場となりましたが、十両格の熊鹿毛(くまかげ)が白星を挙げたのみにとどまりました。元大関の大達は病気のためか最近は地方巡業を中心に活動しており先場所は番付にも載りませんでしたが、復帰して結構な人気を集めています。
明治24年夏場所星取表

大相撲

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