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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治25年夏場所新番付発表 (毎日新聞/明治25.6.1)

Posted on 2007年10月4日 By gans 明治25年夏場所新番付発表 (毎日新聞/明治25.6.1) へのコメントはまだありません


○大相撲
・東両國回向院にて興行する大相撲は来る二十九日番付を配り翌三十日太鼓触れ、六月一日より初日。
○角觝だより
・西ノ海八幡山の一組は大阪難波新地に於いて昨十二日より晴天十日間興行、それより直ちに帰京。
・小錦剣山の一組は昨十二日より晴天七日間千葉県八日市場にて興行、それより佐原にて晴天七日興行、帰路成田に於いて晴天五日間興行、直ちに帰京。
・大泉大達の一組は目下横須賀にて興行中、打ち上げ次第三崎にて一興行、それより帰京。
・大蛇潟雷山の一組は昨十二日より下谷佐竹ヶ原にて晴天十日興行、それより濱町の中洲にて興行する筈。(東京朝日新聞/5.13)
○回向院大相撲番付
・好角家のかねて待ち設けし回向院大相撲の初日もいよいよ明後日となり、番付は昨夜同社会のものへ配布したるが、其の番付は本社がかつて予想せし如く大戸平を関脇に昇進せしめたるは高砂雷両取締及検査役が勉めて従来の宿弊を去り、もっぱら優勝劣敗の主義を取りて力士の黜陟をなしたるは感服と云うべし。
○回向院大相撲
・好角家の待ちわびツツありし回向院大相撲もいよいよ今日より初日興行との事なれば、かねて勧進元木村庄之助氏へ各贔屓連より贈りたる旗幟を回向院大門内外に押し立て、殊に新潟より贈りたる縮の吹き流しは一きわ目立ちて見えたり、かつ昨今同院に柴又仁王の開帳ありて方々大いに雑踏するならんと思わる。
・また綾浪はかねても記せし如く糖尿病にかかり、もはや角觝廃業して更に追手風喜太郎の家を相続して年寄株となり、一昨日その容貌を変じ散髪とはなりぬ。(6.4)

現在と違い各派に分かれて巡業しています。巡業は場所直前まで続きハードなスケジュールですが、これも力士の貴重な収入源でした。新番付の方は記事にあるように本場所の成績を重視する傾向がさらに強まり大戸平が一気に関脇へ、これほどの大幅な昇進もだんだんと珍しくなくなっていきます。先場所関脇だった綾浪は地位の明記が無い張出となりましたが、これは現役続行か引退か微妙な状況だったせいでしょうか。現在も力士の職業病と言われる糖尿病で怪力綾浪も引退を余儀なくされてしまいました。

新聞掲載の新番付(クリックで拡大)

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