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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治27年夏場所3日目 (二六新報/明治27.5.15)

Posted on 2008年1月20日 By gans 明治27年夏場所3日目 (二六新報/明治27.5.15) へのコメントはまだありません


○回向院大相撲
・一昨日三日目は日曜日と云い久々にての好天気なれば殊の外に大入なりき。
・大泉両國は、泉が両國を釣出して勝。
・高ノ森出羽ノ海は、左手の大競り合い水を入れて分。
・越ヶ嶽鬼鹿毛は、左四ツに組み越が差し手を抜きて出し投を打ち、残る機会に鬼諸手に廻しを引き釣らんとして残り、水入りてより又も鬼が釣らんとする時、越が体を押付けたるため鬼の腰砕けて越の勝はひろいもの。
・天津風大纒は、立合い纒が両手を筈にあてて押切。
・外ノ海大達は、立合に達が例によりて突出し居る拳固に外は立合う気を奪われ待手をする数回、観者も待手多きに厭き果てて外を冷評する声場中クスクス然たり、外の冷評に堪りかねヤット立上りながら達の左手を引ぱり込まんとするを、達がソリャならぬと体を廻さんとするとたん、外横なぐりに突きたるため達土俵をかけ出す。(記者云う、達も余程老いたり)
・海山大碇は、当日二三の好取組なれば観者のこの相撲如何ならんかと固唾を呑んで待ちたる甲斐もなく、立合うやいな碇が左手をあてて押出したるは見栄え無き相撲。
・朝汐御用木は、左四ツに組み汐より寄る御用木足癖を巻きて支えたれど、堪らず汐上手投を打て勝。
・高浪梅ヶ崎は、突出して高の勝。
・大蛇潟唐辛は、大蛇より左を差して寄り倒し。
・若湊小天龍は、突出しで湊の勝。
・雷山大戸崎は、左四ツに組て挑み上手捻りにて大戸の勝は是非もなき勝負。
・北海小松山は、押切て北海の勝。
・今泉大砲は、左四ツにつがい寄り出して大砲の勝。
・千年川鬼ヶ谷は、手四ツに組みて挑み水入にて引分。
・鳳凰大戸平は、右四ツに組み二三合挑むと見る間に大戸敵を充分に引寄せて釣出し、当日の相撲を打出す。

西ノ海・小錦がいないと何となく締まらない感じがしますね。幕内の枚数を増やしてまで5人が入幕しましたが、ここまでは苦戦の様子。先場所活躍の鳳凰も大関には通じず。新小結大碇は新進の怪力海山(かいざん)に快勝してまずまずの調子です。朝汐は3連勝と順調ですがあまり強敵とは対戦しておらず、当然の結果と言えるでしょう。躍進中の大纒は今場所も連勝スタートで注目されます。
明治27年夏場所星取表

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