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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治27年夏場所8日目 (二六新報/明治27.5.25)

Posted on 2008年2月6日 By gans 明治27年夏場所8日目 (二六新報/明治27.5.25) へのコメントはまだありません


○回向院大相撲
・小天龍雷山は、突合い突出して小天勝。
・鬼鹿毛狭布里は、鬼下手投げの打損じ腰砕けて負。
・唐辛天津風は、辛の左差しを天津引上げて挑み組み替えて手車、ほぐれて辛の右差し天津は寄らん辛は捻らんと揉み抜き、水入て引分。
・出羽ノ海大泉は、立合に泉が待手をする数回なして観者を困らせし罰でもあるまいが、立合うと直ぐ出羽が右を差して寄り切り見物大笑い。
・大達海山は、立合に直ぐ海山の突出しとは見栄えなし。
・大砲高浪は、左四ツに組み大砲捻らんとして残りなおも追打ちに首鉄砲を喰わせて捻る。
・大戸平外ノ海は、立合に外右を差す大戸その手を左手に巻き上げて横なぐりに押出は是非もなき勝負なり。
・両國笹島は、突合いて二三合挑み両國が左を差して寄り進むを、笹が堪えて敵のさし手に右を引掛け見事に小手投げを打つ。
・鬼ヶ谷不知火は、鬼より突いて突いて突きまくり突出して勝。
・大纒大蛇潟は、直ぐ左四つに組み大蛇より進んで来る所を、体を一寸かわしながら上手投げを一ぱいにうつ。
・谷ノ音北海、左四つに海のさし手を音右手に引掛け、右足に内掛けして巻き倒さんせし時、北海さし手を突き付け体をもたれこみて勝。
・大碇朝汐は、左四つ烈しく競り合い朝より寄り進み碇の堪らえる所を掬い投げを打ちて、残るとたん碇より打返したる掬い投げの見事に極まりたるは当日第一の大相撲なりき。

・八日目取組中、今泉高ノ戸は高の首前々の相撲に痛めたために、それに高ノ森、小松山、越ヶ嶽、大戸崎、鳳凰、片屋に病者ありでいづれも休み。

休場者がますます増えて今一つ盛り上がりに欠ける感じですが、朝汐と大碇の好取組は大碇が制して唯一の土付かずとなりました。今場所の快進撃は目を見張るものがあり、大関候補として一気に浮上してきました。入幕の頃は脚光を浴びた巨漢大砲は力強い相撲は相変わらずですが星はあまり上がっておらず、やや影が薄れてきた感じもします。大泉は相変わらずの待った連発で観客を敵に回していますね(;・ω・)
明治27年夏場所星取表
西大関・大戸平広吉

大相撲

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