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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治28年春場所6日目 (時事新報/明治28.1.22)

Posted on 2008年3月3日 By gans 明治28年春場所6日目 (時事新報/明治28.1.22) へのコメントはまだありません


○本場所大相撲
・一昨日の日曜は相撲の六日目に当り、取組もまた面白きためにや場中一ぱいの大入り大景気なりし。
・雷山に関ノ音は、立上り釣りて関の勝。
・升ノ戸に宝嶋は、左四つ寄りて升の勝。
・鬼鹿毛に一力は、立上り小手先の争いにて右四つに組むやまた崩れて左四つ、たちまち寄って力の勝。
・小天龍に若湊は、立上り突合ううちハタキて若の勝。
・鬼ヶ谷に響升は、立上り突合い升は二本差しにて前袋を探りに来るを鬼は嫌だと振り解きたれど、ついに左に前袋を引きて寄るを鬼十分に耐えたれば捻りて響の勝。
・谷ノ音に北海は、立上り北左で押すを見る間もなく突落して谷の勝。
・出羽ノ海に朝汐は、出羽何となく働き付いて大敵の朝にかかり勢い込んで突合い、右を差さんとて飛込み来るを捻りて朝の勝は是非なし。
・外ノ海に大碇は、立上り突合い土俵一廻りという間もなく突き落して碇の勝。
・中入後、響矢に祇園山は立上り突合いすぐ寄りて矢の勝。
・両國に高ノ森は、立上り高の左差しを片閂にて角力い、崩れて小手先の争いとなり更に左四つとなりて角力ううち水入、再び組みて一寸揉み間もなく分け。
・小松山に大泉は、立上り左四つ松すぐ釣りて持ち行くところを泉耐えたれど、ソンなら斯様だと引きつつ持れて松の勝。
・唐辛に越ヶ嶽は、立上り左四つすぐ釣りて越の勝。
・鳳凰に今泉は、立上りすぐ左筈にて押し鳳の勝。
・海山に大砲は、立上り海低く潜るを押えて手車となるや右手を伸して押し大の勝。
・小錦に大纒は、立上り突出して錦の勝にて打出したり。

この日もほぼ順当に勝負が決まりました。入幕3場所目の越ヶ嶽が5勝1敗と好調。大砲は途中出場の初日を白星で飾りました。響矢は先場所0勝で今場所は十両に落ちていましたが、白星を先行させて再入幕を目指します。この時代、これほど大幅の降格で十両に下がるのは珍しいことです。
明治28年春場所星取表
東前頭8・若湊祐三郎

大相撲

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