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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治14年夏場所8日目 (東京横濱毎日新聞/明治14.5.27)曇天で客足が減

Posted on 2006年7月8日2026年1月10日 By gans 明治14年夏場所8日目 (東京横濱毎日新聞/明治14.5.27)曇天で客足が減 へのコメントはまだありません


・昨日回向院八日目の相撲は終日曇天のゆえにや人出少なく、見物は二千五百六十九人なりし。
・中入前、達ヶ関と入間川は立合申し分なく手と手にて渡り合い、しばらく揉み合ううち入間川は相手の右手をたぐりしに、達ヶ関はたまらず前へよろめく所を入間川は後ろへ廻り背より抱えて其のまま相手を土俵の外へ持ち出して勝を得たり。
・荒角に高千穂は立派に立合い、荒角は遂に相手の右を引張り込み二ツ三ツ揉み合うと見えしが、荒角は大喝一声両腕に力を込め、敵の右手を抱えて一振りに相手を土俵の外へ振り捨て美事の勝を得たり。
・梅ヶ谷と手柄山は双方声を合わせ潔く立合いて押合いしが、手柄山は土俵を廻らんとする時踏切りて梅ヶ谷の勝となれり。
・中入後、大纒に浦風ははでやかに立上り、浦風は相手の左右とも引張り込み絞りて「カンヌキ」にて持出さんとせし所を、大纒は右足を揚げて相手の左脚に掛け両腕に力を入れて右に捻ぢりたるに、浦風は堪り得ず倒されて大纒の勝となりしは美事なる働きというべし。
・響矢に司天龍は難なく立合い、司天龍は寄りて組まんとするを響矢は組まれては一大事と烈しく手先にて防ぎしかども、遂に司天龍の双手相手の両腕に掛かると其のまま押し切りて司天龍の勝となり。
・武蔵潟に若島は難なく立合い、若島は右にて相手の上三ツを取り左手にて相手の腋の下の肉を掴み、武蔵潟は左右とも相手の廻しに掛かりしかば力声を出だして釣り上げんとせしに、若島は自若として動かず、敵の相撲を仕掛くるを待ちて為す所あらんとする如くなりしが、遂に水となり若島の方に痛みありて引分となりしは随分骨の折れし立合と見えたり。

【曇天】
天気がやや悪く、観衆は半減。この時代は前売券や団体客のようなものはあまり無いようで、客入りは毎日が出たとこ勝負のように見受けられます。
【大纒】
諸差しとなり、浦風に閂に極められながらも片足を掛け、そちら方向へひねり倒したということでしょうか。ベテランですが見事な荒業です。
【結びの一番】
大関・若嶋は右上手、左は相手の肉を掴むという体勢。巨人武蔵潟が吊ろうとするも動かず、水入りとなって痛み分け。力の入る相撲でした。
明治14年夏場所星取表

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