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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治15年春場所5日目 (東京横濱毎日新聞/明治15.1.19)多彩な技で活気ある土俵

Posted on 2006年7月15日2026年1月11日 By gans 明治15年春場所5日目 (東京横濱毎日新聞/明治15.1.19)多彩な技で活気ある土俵 へのコメントはまだありません


・昨日回向院五日目の相撲は早や顔触れも追々とよくなるゆえか見物人は無慮五千余に及びたりと。
・番数のうち立田野に若山は、立田野は十分に落着き相手を堅くして十分の所と立たんと構えしに、若山は立声を掛けて突掛け立田野は後れて見えしが、利き手の左が入りしを得たりと声を合わせしに、何分若山は十分の手なれば一杯に寄りたるに、立田野は土俵に足を掛けて堪えしが、屏風倒しに重なり落ち見事に若山の勝。
・稲の花に大達は、大達の右手「廻し」へ付くと其のまま「釣り出し」て大達の勝。
・荒虎に清見潟は双方名代の荒力士、いや味なく立合いしが清見潟は例になく声も出ださず突掛けしが、荒虎は少し立ち後れしや、後ずさりして土俵へ足を掛けて堪ゆるを清見潟はすかさず一本突張ると荒虎は受けかねて踏切り清見潟の勝。
・上ヶ汐に鞆ノ平は立合うとすぐ鞆ノ平の「腰投げ」に掛かりて鞆ノ平の勝。
・武蔵潟に千羽ヶ嶽は「四ツ」になりしが、「釣り」比べをして居たりしが名代の寸延び、殊に右手は上手より廻しに掛かりしゆえ千羽ヶ嶽は「釣り」負け、武蔵潟の勝。
・高千穂に高見山は双方むつかしき相撲ゆえ綿密に立合いしが、二ツ三ツ揉合いて高千穂は二本差せしかば其のまま金剛力を出して一杯に寄るに、さすが足腰のたしかなる高見山もたぢたぢと後ずさり土俵へ足を掛け腰を反らせ既に高見山の負けと見えしが、さにはなくて高見山はエイと一声右手にて相手の背中を打ちて気をくじき、左手に相手の右手を巻き右腕を相手の首に搦み右足を一足踏み込みて体を捻ると見えしが、高千穂の体はもんどりきって倒れしは是れ「首投ゲ」の一手とは知られたり。
・(以下中入後)西ノ海に常陸山は、双方血気さかんの年栄えゆえ花々しく仕切り、ヤッと言う声もろとも立上りしが、常陸山は上手より廻しを取り左を差して、右にて突っ張り一杯に寄りたるに、流石の西ノ海も三足ほど退きしが、西ノ海は左を差して廻しの手をほどき、押し切る所を常陸山は「足クセ」を巻きしかど利かず、西ノ海は差し手を利かせ腰を入れて捻りしにぞ常陸山の体落ちて西ノ海の勝。
・入間川に井筒は気合よく立合い、二ツ三ツ刎ね合い井筒が下へ抜けて足を取り、あびせんとするを巧みにも入間川は土俵を廻りしが、井筒はすかさず突張りしにぞ入間川は踏み切りて井筒の勝。
・浦風に出来山は立合申し分なく、出来山は右にて廻しを取り左も差し十分の手となりしかば、其のまま「やぐら」に掛け、反りながら体を捻りしかば浦風の体は早くも地に落ち出来山の勝。
・手柄山に緋縅は立派に立合い、緋縅は右を差し左に相手の右手を抱えて押し切り、手柄山は押されて土俵に足を掛けて反り、差されし手を引き、差したる手を利かせたるに二人の体は屏風倒しに落ちしが、此の時緋縅の体は手柄山の体の上を超えて地に落ち、手柄山の両足は土俵に在りしは見事に「打ッチャリ」て手柄山の勝たるなり。
・柏戸に司天龍は司天龍の勝。

【大入り】
第一人者の梅ヶ谷は休場、大関・若島は不調という状況ですが、幕内・二段目の元気な力士が熱戦を繰り広げて人気は上々です。腰投げ・首投げ・櫓投げなど多彩な技も出て、面白い相撲が多かったことでしょう。
【寸伸び】
長身という意味だと思いますが、いくら吊りを得意とする千羽ヶ嶽でも209cmの武蔵潟を吊るのは難しかったようで、逆に吊り出されてしまいました。
【手柄山】
明治5年入幕のベテランですが、安定した成績で徐々に番付を上げて関脇3場所目。アンコ型の緋縅に押し詰められましたが、長身を利した綺麗なうっちゃりで土付かずを守りました。
東関脇・手柄山勝司
明治15年春場所星取表

大相撲

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