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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治15年春場所7日目 (東京横濱毎日新聞/明治15.1.21)

Posted on 2006年7月17日 By gans 明治15年春場所7日目 (東京横濱毎日新聞/明治15.1.21) へのコメントはまだありません


・昨日回向院七日目の相撲は朝よりの曇天ゆえか人出少なく見えしも、大丈夫三千の上なりしならん。
・この日番数の内いと面白かりしものを記さんに、勢に大達は大達余程後れて立ちしが二足ほど下がりてそれより一杯に押し切り大達の勝。
・勝ノ浦に出来山は休み。柏戸に稲川は、柏戸十分の所を立ち二本とも差して「廻し」を取り、稲川は上手より是れも「廻し」を取りて組合い、暫しが間は声も出さずありしが、柏戸は引寄せて一杯に寄る所をすかさず稲川は体を振り向きければ、柏戸は見事に振り出されて稲川の勝。
・上ヶ汐に千羽嶽は「四ツ」になりて揉合い水となりしが、勝負付かずして引分。荒虎に緋縅は休み。
・武蔵潟に高見山は双方土付かずの相撲ゆえ十分の勇気にて立合い、手と手にて渡り合い、高見山にとりて十分の手となりたれば高見山は得意の「手車」を仕掛けしに、武蔵潟の体崩れ双方手を組みしまま手を砂に突きしは、高見山の仕掛けし相撲ゆえ団扇は高見山に揚がりしが東方の溜に控えし若島が物言いを付けて預りとなりたり。
・若島に鞆ノ平は鞆ノ平に傷所ありて引分。
・(以下中入後)浦湊に常陸山は常陸山が勝。立田野に井筒は立田野が勝。
・高千穂に達ヶ関は高千穂立ち後れしが一本差すや否や腰を入れて「投ゲ」を打ちしに見事にも達ヶ関は決まりて高千穂の勝。
・西ノ海に清見潟は休み。浦風に荒角は水入りしが浦風に痛みありて引分。手柄山に司天龍も同上手柄山に痛みありて引分。

不戦勝の無い時代なので、片方が休場すれば相手方も休場という扱いになります。当時は現在のような休みイコール負けという考え方ではなかったので、これでもあまり不都合がありません。力士が簡単に休んでしまうという側面もありますが・・・おそらく当時の人ならば、戦ってもいないのに勝ちになるという事の方がむしろ違和感を持つことでしょう。この日は休場者や分け相撲が多く、見ごたえはイマイチだったかも知れませんね。勝ノ浦vs出来山は星取表では引き分けとなっていますがどちらかが間違っているのでしょう。控え力士の物言いは現在では珍しいですが当時はまあ珍しくなかったでしょうか。相撲を取った力士本人さえ物言い付けることがあるようですから・・・
明治15年春場所星取表

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