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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治15年夏場所8日目 (東京横濱毎日新聞/明治15.6.8)

Posted on 2006年7月30日 By gans 明治15年夏場所8日目 (東京横濱毎日新聞/明治15.6.8) へのコメントはまだありません


・昨日回向院八日目の相撲は景気少しく落ち観客およそ千七百人。
・(中入前)西ノ海に稲ノ花は双方仕切も立派に立上り、互いに突掛け跳ね合ううち西ノ海は右を差し稲ノ花は左を差し暫時揉合いしが、稲ノ花は一心に西ノ海を土俵近く押行きつつ差せし左を抜きて敵の前袋を取り、右を相手の首に廻し「内カワズ」を掛けしが利かず、却って西ノ海に押切られて西ノ海の勝。
・大達に常陸山は、美事に立上り双方右を差し揉合ううち、常陸山は大達に押されてタジタジと後ずさりせしが、力を直して押返すと等しく大達の右「ミツ」をしかと取り左を敵の首筋に廻し「カワズ」を掛けて寄りしに、大達は踏切り常陸山の勝となりければ満場喝采の声暫時は鳴りも止まざりし。
・柏戸に緋縅は難なく立上り、手と手にて突張り合い暫時の間双方ともに動かざりしが、此のとき水となり柏戸の方に痛みありて引分。
・関ノ戸に武蔵潟も同様動かずついに引分。
・梅ヶ谷に手柄山は前日以来手柄山の痛みにて休みとなれり。
・(中入後)井筒に浦風は押切って浦風の勝。
・千羽ヶ嶽に高見山は念入れて立上り、双方力声を出して跳ね合ううち高見山はやや受手となりしを、得たりと千羽ヶ嶽は無二無三に押行ければ高見山は踏切りて千羽ヶ嶽の勝。
・清見潟に楯山は休。

前日少しの負傷ということだった手柄山が休場、結構な怪我だったのでしょうか?大関の楯山まで休んでしまい、ますます寂しくなります。やはり集客の方が・・・新入幕対決は常陸山(ひたちやま)の勝利、この日一番盛り上がった瞬間でしょう。常陸山はのちに師匠として大横綱常陸山を育てます。
明治15年夏場所星取表
西前頭7・大達羽左衛門

大相撲

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