○相撲派別
・力士中、当時有名なる者の指定派別を左に掲ぐ。
○梅ヶ谷藤太郎門弟
・大鳴門灘右衛門(東関脇)、剣山谷右衛門(東小結)、鞆ノ平武右衛門(東前頭)、友綱良助(同上、同人は目下梅ヶ谷の門弟なれど故友綱の跡を継ぎたるものにて友綱は年寄の名なり)、平ノ戸三之介、山ノ音新八、菊ヶ濱常吉、谷ノ川岩五郎(平ノ戸以下十両直下)等。
・右のほか今度大坂より上りたる綾瀬川、知恵ノ矢、天拝山、梅ノ春の四名もまた梅ヶ谷の門に入りたり(ちなみに云う梅ヶ谷はかつて故玉垣額之助門弟たりしが目今は独立となり既に雷なる年寄名義を継ぎ居れり)。
○境川浪右衛門門弟
・手柄山勝司(東前頭、同人は武隈の家を相続すべき者すでに其の届けをなり居れり)、勢力八(同上)、中津山立吉(十両)、増位山浪五郎(同上)、荒石伊之助、藤ノ戸永吉、黒雲雷五郎、藤田川権蔵、司雲龍照吉、龍門清四郎、三吉川富二、越川彦三郎、芳ノ山多二郎(荒石以下十両直下)等。
○高砂浦五郎門弟
・西ノ海嘉次郎(西大関)、大達羽左衛門(西閏位大関)、高見山宗五郎(西関脇)、一ノ矢藤太郎(西前頭)、綾浪徳太郎(十両)、頂徳太郎、岩ノ里太郎吉、野州山徳之丞、毛谷村六助、四ツ車鉄蔵、小金山伝次郎、鷲ノ森常吉、千年川政吉、中田川文蔵、大綱銀之助、西ノ濱善七(頂以下十両直下)等。
○阿武松和介門弟
・兜山亥之助、若木野金介、雷ヶ嶽左太郎、田上山欣介(いずれも十両直下)等。
○楯山久三郎門弟
・五十崎太作、真崎春吉、柏原清三郎(いずれも十両直下)等。
○湊川四郎兵衛門弟
・立田野竹松、藤ノ戸永吉(以上十両)、藤田川権蔵、藤ヶ枝八十二、若港介三郎(以上十両直下)等
○東関庄助門弟
・山響団二、響洋多三(いずれも十両直下)等。
○藤嶋甚助門弟
・嵐山捨吉(十両)、栄松兼吉(十両直下)等。
○尾車文五郎門弟
・山ノ上徳蔵、浪渡長介(いずれも十両直下)等。
○伊勢ノ海五太夫門弟
・高千穂峰吉(西小結)、上ヶ汐永吉(東前頭)、柏戸宗五郎(同上)、荒飛甚太夫(同上)、器械船源吾、剣島勝二、鳥ノ海邦右衛門、雷震吉之助、錦嶽留二(器械舟以下幕下)等。
○浦風林右衛門門弟
・浦湊喜太郎(十両)、國ノ花卯之介、紅葉川五郎吉、柏木信二(以上幕下)等。
○清見潟又市門弟
・早虎米吉、勢力忠四郎、半田川伝六(いずれも幕下)等。
○出来山長吉門弟
・大纒長吉(幕下)等。
○手柄山勝司門弟
・九紋龍竹松(十両)等。
○佐野山幸吉門弟
・泉川喜三二(幕下)等。
○千賀ノ浦喜三郎門弟
・千草山元吉(幕下)等。
○玉垣額之助門弟
・千羽ヶ嶽宗助(春日野の名跡を相続すべき者)、緋縅力彌、廣ノ海豊吉、海山太郎(以上西前頭)、鶴ヶ濱政吉、八幡山定吉(以上十両)、初陣一二、御所櫻仲蔵、白梅大吉、荒玉辰之助、浦ノ海光太郎(以上幕下)等。
○出釈迦山峰吉(間垣の名跡を相続すべき者)門弟
・取倉岩吉(幕下)等。
○朝日嶽鶴之助(幕下にて立田川の名跡を相続すべき者)門弟
・泉瀧福二(幕下)等。
○玉ノ井村右衛門門弟
・玉桂山三郎(幕下)等。
○二十山重五郎門弟
・四剣左十郎(幕下)等。
○故中立庄太郎門弟
・伊勢ノ濱荻右衛門(東前頭)、響升市太郎(幕下)等。
この時代としてはなかなか珍しい記事です。梅ヶ谷は現役で既に部屋の師匠となっていますね。のちに三役まで昇進する千年川や若湊の名前が幕下力士の中に見られます。大部屋小部屋の差が激しいですが、昭和戦前あたりまではこんな感じです。