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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治20年春場所3日目 (毎日新聞/明治20.1.18)

Posted on 2006年12月6日 By gans 明治20年春場所3日目 (毎日新聞/明治20.1.18) へのコメントはまだありません


・昨日の三日目はいよいよ盛なる景況にて。
・出釈迦山に友綱は造作なく立ち「左四ツ」にてちょっと揉合い、一声の力声と共に「上手投」にて友綱の勝はお手柄。
・海山に柏戸は左差しにて、柏戸は四ツになる気、海山は引掛けて小手投げを試みたるも至らずして、柏戸が堪える所を差し手から寄り戻して海山の勝。
・鶴ヶ濱に綾浪は双方若手の秀力士、立派に立合いしが鶴は相手の出て来る所を一と「ハタキ」呉れて泳がせ、体をかわして突出し鶴の勝は利いた相撲。
・綾瀬川に西ノ海は双方仕切り清き力士ゆえ難なく立ち、綾瀬が差せし左をかい込み西極めんとするを、綾はわざと差込んで「パツタリ左四ツ」水入りて引分。
・大鳴門に嵐山は左四ツとなり、嵐は始終相撲を仕掛け廻しへ左手の届くや否「ヒタ投げ」に「投げ」を打ちしが、鳴門は達者に足を運びて三四度危き所を免かれ土俵の中に廻りて一息という時、水入り勝負付かず引分。
・緋縅に高千穂は、此方は土付かず彼方は反対なれば自然呑むともなしに仕切り勝ちし如く見ゆるうち、立つか否や蹴返して高千穂の勝。
・千羽ヶ嶽に常陸山は、常陸山名代の首役げにて三段ばかりに区切りを付け、投げるとなく引くともなくつまり倒して常陸の勝は妙な相撲なりし。
・知恵ノ矢に一ノ矢は、立ち際に知恵河津に行きしを釣り上げてあわや持出さんとするに、たまらず知恵は両足を搦みて反らんとすれど一ノ矢は動かず、「手ナタ」にて相手の首を防ぎ足を運べば、危しと体を「アビセ」掛けて倒し込み一ノ矢の勝は目覚し。
・上ヶ汐に鞆ノ平は双方贔屓力士、土俵一杯の愛敬にて立合いしが、何だか寄るともなく出るともなく勝負付き鞆の勝は感心せず。
・八幡山に大達は、八幡が例の足クセに行きしに腰崩れ、手到らずして潰れ達の勝。

・本場所打上げ次第、大達剣山の一行は横濱より横須賀に出掛け、帰京の後木挽町にて興行するよし、此の興行は多分二月下旬頃の見込なりという。

技がキレイに決まった相撲は記者に絶賛されますが、よく分からないうちに勝負がつくとあまり良く書いてもらえませんね。寄るともなく出るともなく勝ったってどういう状況ですかね(;・ω・)一ノ矢の元気と最後を締めた大関大達の安定感が目に付きます。
明治20年春場所星取表

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