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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治20年夏場所9日目 (毎日新聞/明治20.6.12)

Posted on 2007年1月7日 By gans 明治20年夏場所9日目 (毎日新聞/明治20.6.12) へのコメントはまだありません


○回向院大相撲
・山ノ音に相生は、立上り山左をハヅに構い右を当ててヨランとするを、相は左を差し互いに競いスクイ投にて相生の勝。
・若湊に真鶴は念入れて立上り、二三度跳合い突出して若の勝。
・竜門に九十九山は右四ツ、九十九上手投に行きしも残りて揉合い、再び上手投げにて九十九の勝。
・鬼ヶ谷に柏戸は、立上り鬼は左を差し無二無三に寄らんとするを、柏は撓めながら首投に行きしがスッポ抜けとなりければ、立て直さんとする時早くも進んで突出し鬼の勝。
・知恵ノ矢に出釈迦山は、突出して知恵の勝。
・千羽ヶ嶽に九紋竜は足クセにて珍しく千羽の勝。
・綾瀬川に高千穂は立上り高左を差せしに、綾瀬は敵の差し手を泉川に極めヨランとするを、右にて前袋を取り揉合いヨリて高の勝。
・真力に大達は、突出して大達の勝。
・黒縅に伊勢ノ濱は、ヨリて伊勢の勝。
・平ノ戸に常陸山は仕切りも充分に立上り、平は例の左を差しヨリ行く所を、常は土俵際にて撓めウッチャらんとする時、十八番の切返しにて平ノ戸の勝。
・八幡山に嵐山は本日中の相撲なれば見物人は固唾を呑んで注目せり、さて力士は造作なく立上り八幡左を差し右にて敵の前袋を取り競り合いしうち、八幡差し手を替え首投げに行く様子を見せければ嵐はこれを釣らんとせし際、得たりと八幡は例の足クセにて巻き倒さんとせしに同体流れ団扇は嵐に上りたるも、物言い付いて預り。
・鞆ノ平に友綱は突合い手四ツとなりて競り合ううち、滑りて鞆の勝にて打出したり。
・此の日、一ノ矢綾浪千年川は病気全快の由にて土俵だけを勤めたり。

幕内力士にとっては最終日なので、土俵入りだけ出てきた力士もいるようです。大達は7勝目となり土付かずで最優秀成績となりましたが、他にはこれといった成績の力士がなく低調な場所となりました。8日間負け続けてきた知恵ノ矢(ちえのや)がようやく1勝。
明治20年夏場所星取表

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