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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治23年春場所千秋楽 (毎日新聞/明治23.1.16)

Posted on 2007年6月12日 By gans 明治23年春場所千秋楽 (毎日新聞/明治23.1.16) へのコメントはまだありません


○回向院大相撲
・昨日の十日目は前日の空模様と違い、至って穏やかなる賽日なりければ常の千秋楽よりは一層の景気なりしが、午後一時頃より降り出し追々烈しく降り来りしにぞ場内の騒ぎ一方ならざりし。
・外ノ海に若ノ森は、突張りて若ノ森の勝。
・阿武松に雲龍は、立上り阿武右を差し雲は泉川に極めしが離れて右四ツ阿武は遮二無二押し切らんと外掛けモタレ込みしが、雲龍は土俵際にて棄て身となり同体落ちて預り。
・大則戸に大戸平は、立合に右差しヨラんとするを手早く引張り肩に掛けて一本背負は綺麗なり。
・鶴ヶ濱に鬼鹿毛は、右差し足クセスクイ投げにて鬼鹿毛の勝。
・山響に大蛇潟は、左四ツ下手投げにて山響の勝。
・鬼若に黒瀧は、右差しヨリて鬼若の勝。
・若木野に勝田山は、左四ツにつがい勝田無残に攻め付るを土俵際で体を変じヨリ切りて若木野の勝。
・是より三役、達ヶ崎に柵は、達右差し柵は上より挟み揉合ううち締め廻しの緩みしかば、行司は一寸と声を掛け達に気を抜きし時、柵は立派に小手投げを打ちしがこれがため紛紜起こりついに預りとなれり。
・雷山に虹ヶ嶽は、虹左差しヨラんとせしを小手ナゲにて雷山の勝。
・朝汐に大碇は、碇二本差し押し行くを朝はこれを解き左四ツヨリ倒して朝汐の勝にて千秋楽の相撲を終わりたり。
・当日の弓取りは君山が巧みに振りしは感心なりき。

○花相撲
・回向院大相撲も昨日にて打ち納めたれば、西ノ海、剣山、大鳴門、一ノ矢、小錦の一行は明日より横濱において八日間、それより麹町平川天神に来り八日間興行、また大達、若湊、嵐山、熊ヶ嶽の一行は今日より横濱にて五日間、帰京のうえ洲崎において八日間興行する由。

柵(しがらみ)はマワシ待ったの声がかかった瞬間に投げるとは(;・ω・)聞こえてなかったのか計算なのか・・後半は天気に恵まれませんでしたが、全体に人気の出た場所だったと言えるでしょう。この千秋楽、朝汐に大碇という将来の大関同士の対戦があり朝汐の勝利でした。巡業の熊ヶ嶽という力士は明治初期に大阪相撲で活躍した古い力士で、この頃はほとんど引退状態でしたが大達と仲が良かったようで一緒によく巡業をしています。
明治23年春場所星取表

大相撲

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