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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治25年春場所千秋楽 (毎日新聞/明治25.1.16)

Posted on 2007年10月3日 By gans 明治25年春場所千秋楽 (毎日新聞/明治25.1.16) へのコメントはまだありません


○回向院大相撲
・昨日十日目の同相撲は流石に藪入なれば常の千秋楽に比すれば景気よき方なり、また貴顕方には徳川公のみ見受けたり、実に貴顕方好角連の統領だけありて千秋楽の相撲にまで来臨せらるるとは有難き事なりと同社会のものは喜び居れり。
・大炮に柏森は、立合い柏は足取りに行きしを踏張りて右四ツ、ヨリて大炮の勝。
・天津風に松ヶ関は、右四ツにつがい揉合い水入りてのち挑み合い引分。
・猫又に立嵐は、猫二本差しヨリ行くを、足クセ防ぎ左四ツ猫ヨリ来るを棄て身にて、物言い付き預り。
・高千穂に高浪は、立上りざま突倒して高浪の勝。
・大碇に大蛇潟は、碇右差しヨリ来るを大蛇泉川にて撓めしが、渡込んで大碇の勝、時に梅勇は大碇に代わり拍手喝采の内に弓取りを演じ終りて、目出たく千秋楽の相撲を打ち納めたり。
・また同相撲は木戸十銭を五銭に値下げ、殊に改良に付いて種々の費用を要し、稍々六千円ばかり上らざれば計算相立たずと内々年寄中心配し居りしが、意外の大入にて興行中の収入六千円以上に達したりと云えば幾分かの純益ありしならんという。

ある意味今場所の人気を引っ張った大炮は8勝目、来場所は幕内でどんな活躍を見せてくれるでしょうか。天津風(あまつかぜ)松ヶ関(まつがせき)高浪(たかなみ)大蛇潟(おろちがた)など、次代の幕内中堅力士たちも頭角を現してきました。今場所は前半の客入りが良く、興行的にはまずまず成功だったようですね。
明治25年春場所星取表

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