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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治14年春場所千秋楽 (東京横濱毎日新聞/明治14.1.19)

Posted on 2006年6月30日 By gans 明治14年春場所千秋楽 (東京横濱毎日新聞/明治14.1.19) へのコメントはまだありません


・両国回向院の相撲は初日より打ち続きたる晴天に日々客足よく、殊に相撲は近年稀なる上出来なりしが、いよいよ昨日十日目にて千秋楽となりたり。
・さて当日の三役にて小結を勤めたるは稲ノ花と君山にて、立合い滞りなく稲ノ花は左右とも差して「三ツ」を取らんとせしが、名代の君山は始終腰を振りて中々取らせざるにぞ此方はなおも廻しを捜せし時、君山はたちまち体を引くと見えしが稲ノ花はこの機を外さず押し切りて勝となりたるは、晴天十日今日の小結に叶う稲ノ花と名乗を受け扇を戴きて退きたり。
・次に関脇なる大達と伊勢ノ濱は引分となり。
・大関の荒玉と小武蔵は、立合といい組み方といい小武蔵のほう申し分なかりしかど、なにぶん力の及ばずぢりぢりと寄せ付けられて押出され荒玉の勝となり、晴天十日今日の大関に叶う荒玉、と名乗りを受け、弓取の役は君山が勤め、あとの礼式は形の如く済みてめでたく打ち出しとなりたり。

是より三役での勝ち名乗りが現在のものより長いです。賞品は扇、今も千秋楽の三役揃い踏みでは3人が扇の形に並んで四股を踏むなど、扇との縁は深いようです。大達はのちに強豪大関として君臨する大力士です。伊勢ノ濱は平幕止まりでしたが、息子が同じ名前で大正時代に大関となりました。稲ノ花の勝ち方は「相手の引きに乗じて」という感じでしょうか。現在よく見られる流れですね。
明治14年春場所星取表
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