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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治18年夏場所初日 (東京横濱毎日新聞/明治18.5.15)初日は上々の景気

Posted on 2006年10月13日2026年2月1日 By gans 明治18年夏場所初日 (東京横濱毎日新聞/明治18.5.15)初日は上々の景気 へのコメントはまだありません


・回向院大相撲は昨日を以て開場せり、当日はいつになき上景気にて観客の気入も至極宜しく見えたり、殊に此の度は雑踏を制するため場内東の方の角へ別に一ヶ所の巡査見張所を設けたるなど、行き届きたり。
・綾瀬川に綾浪は、立上り突掛けて左四ツとなり綾浪は上下とも三ツを引き揉合う時、綾瀬川が遮に無に寄来る所を突き釣出して見事に勝を得、大喝釆を博したり。
・友綱は達ヶ関を押切りて勝。
・千羽ヶ嶽に武隈(手柄山改)は、パッタリ四ツにて千羽得意の釣に行きしを武隈足くせにて防ぎしが、其の甲斐なく釣出して千羽の勝。
・知恵の矢に高見山は、右四ツにて攻め合い知恵櫓に掛て勝を得たれば是れ又大喝釆を得たり。
・鞆ノ平に出釈迦山は左四ツ、寄て鞆ノ平の勝。
・浦風に大達は、挟み付けて押切り難なく大達の勝。
・剣山に鶴ヶ濱は、鶴も堪えて相撲にしたく思いしも、如何せん敵が力相撲に突張り来るには閉口して、ついに踏切しはさもあるべし。
・平ノ戸に八幡山は若手のみか達者同士の事なれば見物の気入十分にて、両力士立上り最初ハゲシキ平ノ戸の突張に八幡は危うかりしも、残って互いに左を敵の首に巻き合い、右には互いに下手三ツを引き合い、機を見て平ノ戸敵を引き付け櫓に掛ける其の途端、心得たりと八幡山は得意の足クセに行きければ双方共に体流れ、団扇は平ノ戸に上りたるに物言い付て預りとなりしが、平ノ戸はなんでもおれの勝相撲とかぶりを振りて下らざりしもややありてようやくに事済みたり。
・柏戸に海山は、柏戸が突掛るを海山横ナグリに肩と首の間をハタキしにぞ、柏戸の体流れてあっぱれ海山の勝は見事。
・常陸山に勢は左四ツ、寄りながら押切て常陸山の勝。
・上ヶ汐に廣ノ海は、上ヶ汐突掛け出る廣ノ海の右をヒッカツギ一本ジョイに行きし時、廣の体半分は極まりかかりしが防ぎて辛くも残りたり、此の時上ヶ汐の体廻って敵に後ろを見せたれば直ぐに廣ノ海が後ろより突張らんと思いの外、猶予ありて正面になりヨイショと右四ツになるや上ヶ汐は足くせにてモタレ、勝を得しは始終気づかわしき相撲にてありし。
・高千穂が増位山に勝ちしは矢筈のツッパリなり。
・大鳴門に嵐山は、かねて評判者の嵐山ゆえ段違いの相撲ながら待ちかまえたる取組にて、嵐山嵐山と呼ぶ声もなかなかなりしが、案の定最初大鳴門の右を泉川に極めて攻め立てモツレて左四ツとなり揉抜きつつ、ついに寄て嵐山の勝は実に立派の勝にて感心の他なかりし。
・伊勢ノ濱に西ノ海は左四ツにて西激しきスクイ投に掛けて勝。

・此の日梅ヶ谷及び一ノ矢は二人とも病気にて休みたり、右梅は四日目頃よりは取るならんという。

【大達】
先場所は地位表示のない張出という曖昧な番付でした。準大関のような扱いで好成績を挙げ、今場所は関脇。格下げのようにも見えますが、破門騒動を起こすなど色々ありましたので、まずは正規の番付に戻し、改めて大関を目指すという位置付けでしょうか。初日は快勝して好発進です。
【大鳴門-嵐山】
大鳴門は、先場所関脇で好成績を収めながらも剣山と入れ替わりで小結に降格。この時代の番付編成は、大達のような例外を除いて基本的に張出はなく、誰かが上がれば誰かが下がる仕組みなので、仕方のないところです。嵐山は成長株で今場所は二段目の筆頭。初日なので段違いの対戦となりましたが、嵐山は泉川を繰り出した後、左四つから寄り切って堂々の勝利を収めました。
【休場力士】
横綱・梅ヶ谷と平幕の一ノ矢は病気休場とのこと。梅ヶ谷は途中出場の可能性も書かれていますが、結果的には出場せずこのまま引退となります。
明治18年夏場所星取表

大相撲

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