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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治19年夏場所7日目 (毎日新聞/明治19.5.19)

Posted on 2006年11月27日 By gans 明治19年夏場所7日目 (毎日新聞/明治19.5.19) へのコメントはまだありません


○回向院大相撲
・昨日(七日目)の相撲は午後より小雨の降りしにもかかわらず来客多く上景気なりき、当日の勝負は左の如し。
・廣ノ海は九紋竜をアオリ掛け、綾瀬川は竜門を釣出して勝。
・さて八幡山に一ノ矢は注文を付けし事なるべく、立上るや八幡が左を差すを此方は心得て泉川にキメ我が体を遠ざけながらタメ出さんとの勢いに、八幡少しく逃身に行く途端足クセにて一ノ矢の勝は至極宜しく是れまた満場の愛敬なりき。
・鶴ヶ濱に嵐山は左四ツにて鶴足クセに来るを、嵐は釣出して勝なりしがこの場所は鶴の仕合せ兎角宜しからず。
・千羽ヶ嶽に西ノ海はちょっと泉川を試みしが直ぐに左四ツと変じスクイ投げんとするを、千羽は足クセを巻きモタレて勝は大出来と申してよからん。
・剣山に高千穂は突張て剣の勝。
・黒雲に真鶴は左四ツよりスクイ投て真鶴の勝。
・鬼ヶ谷に高ノ矢は直ぐに押切て鬼ヶ谷の勝。
・緋縅に伊勢ノ濱は「寄」て伊勢の勝。
・大鳴門に常陸山は立合直ぐに左四ツとなりしが、鳴門は一番寄て見んと引立て引立て土俵近くに寄り行きしを、常陸は一心ここに防ぎ残って今度は常陸よりタヂタヂと寄り返し、機を伺いて差したる左を引抜きざま鳴門の左を泉川にキメル途端二丁投に行たるに、鳴門は体流れ常陸の勝は満場の大喝釆。
・鞆ノ平に大達は水入後引分しが、この相撲は始終小手先のせり合に止まりき。

・又一昨日大達と友綱が土俵のモツレは、大達にも存外すなおなる了見にて友綱が無法の処置も自ら悟る所あらば咎むべからず、との言葉に仲裁の骨折り甲斐もありて事済となり、本日の顔触にある如く友綱も土俵に上る事となりたり。

八幡山のお株を奪う一ノ矢の足技には場内大喜びでしょうね。今場所一番安定して強いのは剣山で危なげありません。そしてどうやら友綱も許されたようで(;・ω・)大達は意外と寛大な態度です。自分にも責任の一端があることを感じているということでしょうか・・・
明治19年夏場所星取表

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