郷友会花相撲 (東京横濱毎日新聞/明治18.6.6)
○郷友会の相撲 ・昨日は鹿児島県人諸氏が回向院の相撲場に於て郷友会を催し、例年の通り角觝取組ありたり、当日来会せしは島津君及び同県出身の貴顕紳士、其の他米田侍従、芳川府知事等、招待に応じて参られし人々ともおよそ三千余人に…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
○郷友会の相撲 ・昨日は鹿児島県人諸氏が回向院の相撲場に於て郷友会を催し、例年の通り角觝取組ありたり、当日来会せしは島津君及び同県出身の貴顕紳士、其の他米田侍従、芳川府知事等、招待に応じて参られし人々ともおよそ三千余人に…
○回向院大相撲 ・千羽ヶ嶽に友綱は「突掛ケ」て友綱の勝。 ・高見山に綾瀬川は、右四ツに揉合い水まで入りて引分。 ・常陸山に大鳴門は、立合に大鳴門が右を差しすかさず相手の右を受け、遮に無に「寄りて」鳴門の勝。 ・西ノ海に上…
○大相撲 ・友綱に大達の相撲は、立合いながら友より焦って突掛けたれど、押し切りて達の勝。 ・剣山に常陸山は、立ち合い掛けに剣は矢筈を掛け二三合厳しく攻め立て土俵際にて突き落さんとせしが残って入れ違い、また剣より矢筈にて攻…
○回向院大相撲 ・一昨日四日目の勝負付は左の如し。 ・勢と竜ヶ鼻は、左四ツ寄りて勢の勝。 ・綾浪に鬼鹿毛は、突掛けて左四ツとなり寄って綾浪の勝。 ・伊勢ノ濱に鶴ヶ濱は、鶴が二本差して行く所をキメダシて伊勢の勝。 ・廣ノ海…
○回向院大相撲 ・咋日三日日の相撲は上景気、されど前日以来物言の多きゆえ案外に手間取り、番数も沢山抜いて取組の休みとなりしもの多し、殊に鞆ノ平と千羽ヶ嶽の物言は双方熟談出来ず、兎に角あとの取組に差し支ゆるを以て其の場面を…
○回向院大相撲 ・昨日二日日の相撲は、暫らく降雨のため休業せしより観客の待ち兼ね居たる事なれば、すこぶる上景気にて貴顕紳士の来場も多かりし。 ・八幡山は増位山をハタキて勝。 ・海山に上ヶ汐は観客の気入よく、まづ力士は立上…
・回向院大相撲は昨日を以て開場せり、当日はいつになき上景気にて観客の気入も至極宜しく見えたり、殊に此の度は雑踏を制するため場内東の方の角へ別に一ヶ所の巡査見張所を設けたるなど、行き届きたり。 ・綾瀬川に綾浪は、立上り突掛…
○相撲派別 ・力士中、当時有名なる者の指定派別を左に掲ぐ。 ○梅ヶ谷藤太郎門弟 ・大鳴門灘右衛門(東関脇)、剣山谷右衛門(東小結)、鞆ノ平武右衛門(東前頭)、友綱良助(同上、同人は目下梅ヶ谷の門弟なれど故友綱の跡を継ぎた…
○回向院大相撲 ・昨日同所千秋楽の相撲は、流行の今日なれば以前の十日目と違い中々の景気にて観客の数もいと多かりし。 ・(中入前)大纒は玉桂に、荒玉は器械舟に、勢力は五月山に、八ツノ浦は五十崎に、竜門は響升に勝、播磨洋に黒…
○回向院大相撲 ・昨日九日日の相撲は、顔触れの宜しきより随分客多く上景気なりし。 ・(中入前)小金山は獅子ヶ嶽に勝、浦ノ海に四ツ車は預り、藤ヶ枝は國ノ花に、鷲ノ森は菊ヶ濱に、藤田川は有明山に、白梅は山ノ音に勝。 ・常陸川…