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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治28年夏場所8日目 (東京朝日新聞/明治28.6.15)

Posted on 2008年5月30日 By gans 明治28年夏場所8日目 (東京朝日新聞/明治28.6.15) へのコメントはまだありません


○大相撲
・松ヶ関に不知火は、立上り知火二本差しを松は右上手を引き左に敵の右を絞りて揉み合い、知火より足クセに行くを残りて寄り切り松の勝。
・鬼鹿毛に松若は、松の右を取り小手投げにて鬼の勝。
・一力に天津風は、力左筈に行くを天津は泉川にて撓め出さんとする事再三、力もよく堪えて離れ力左を差すを天津は又もや泉川にて撓め出さんとし、残りて水入後再びつがい力は双差しとなるを天津は絞りて寄らんとし、勝負果てしなく引分。
・大纒に鉞りは、立上り鉞りの左差しを纒は泉川にて撓めしも効なく、鉞り双差しとなるを纒は閂にて締め付けたりしが遂に寄り倒して鉞の勝。
・大碇に北海は、二三合突き合い北は危うかりしも辛く残りて、碇は二本差し遮二無二寄るを廻り込み小手投げ美事に極り北の勝は大喝采なりし。
・「中入後」雷山に若島は、突合い右筈にて押出し若の勝。
・梅垣に関ノ音は、左を当て捻りて関の勝。
・小天龍に唐辛は、立上り突合い互いに巻き合いて押し出さんとし競り合ううち水となり、後も同様にて勝負付かず引分。
・鬼ヶ谷に狭布里は、鬼が激しく突き立てるを狭は危うく残りしも右筈にて押し出し鬼の勝。
・高浪に岩木野は、岩右を差すを高は左上手を引き右は敵の左と巻き合い、岩が引落しを試むるを残りたれば再び引落しに行くを高の残るはづみ、後を見せたればすかさず送り出し岩の勝。
・小松山に高ノ森は、立上り高の一本背負い外れて左四ツとなり、高が腰を据えて寄り来る所を小松は土俵際に残り逆投げを打ち小松の勝。
・鳳凰に出羽ノ海は、左差し寄り切って鳳の勝にて打出し。

場所も終盤ですが上位力士はほとんど休んでしまい、唯一大碇が出ましたが北海に敗れて初黒星、結びで鳳凰が勝って締めくくりましたが見所の少ない一日でした。新入幕で星の上がっていない鉞りは大纒に勝って2勝目。大纒は先場所に続く大敗でかつての勢いが無くなってしまいました。
明治28年夏場所星取表

大相撲

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