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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治29年春場所7日目 (東京朝日新聞/明治29.1.28)

Posted on 2008年7月25日 By gans 明治29年春場所7日目 (東京朝日新聞/明治29.1.28) へのコメントはまだありません


○土俵のかずかず
・一力に當り矢は好相撲にて見物待ちかねの様子なりしが、當りは左筈で押さんとし一は下手投を行きたれど極まらず、取り疲れて引分け。
・天津風に小天龍は綺麗に仕切て立上り、天は引落しに行き更に小天の左手を泉川に撓めて押出したはアッケなし。
・出羽ノ海に大纒はなかなかの好相撲にて、大の押し来るを二本差しに行き、変じて腰投をかけしを大は残して逆投に行き、出羽は腰砕けて美事に土俵の外へ投げ出されたり。
・今泉に谷ノ音は、今が仕掛けて釣舟に行かんと挑みしも谷は大事を取って相撲を仕掛けず、遂に引分となりしは谷の本望土をつけまじとの臆病か。
・大碇に小錦は、西の大関大戸平が既に土がついておるに対しても大碇に勝たせたしというもあり、兎に角当日第一の好相撲とて固唾を呑んで見ておると、小錦は充分土俵を譲り碇は心中注文ありと見え中々容易に仕切らざりしが、立上るや錦が突手に行くを幸い碇は組まれては大変と同じく突手を試み二三度詰際まで押寄せられしを残り、電火の如く身を飛ばして廻る時、錦はこれと共に廻り過ぎて行司溜りの左の方へ近寄りしを、碇はすかさず突き寄って遂に錦を土俵の外へ突き出したれば、碇は嬉しさの余り大手を広げてドンドンといい見物の投げ物土俵の上に山積せり。
・楯甲に横車はいづれも売出しの若手力士、互いに釣合い押合いしのち取り疲れて引分となりぬ。
・狭布ノ里に鳳凰は、狭布が左四ツに行くを双手を廻して何の苦もなく釣出したるは是非もなし。
・朝汐に小松山は、近頃新橋辺にお楽しみが出来たとやらで元気の弱った朝汐なれば、この相手にも持てあまし小松が左四つにて釣らんとするを朝は防いで投を行きしも極らず水入り、遂に引分。

大ベテラン出羽ノ海はここまで全敗で休場しますが、取組内容を見ても足腰がすっかり衰えて引退の近いことを思わせます。張出の大碇と大関小錦の対戦は大碇、うまく回り込んで勝ち星を取りました。小錦にスピード負けしない力士は数少なく、得意の強烈な押しが冴えました。「ドンドン」と言ったのでしょうか?変わった雄叫びです(;・ω・)朝汐は芸者遊びが過ぎて不調だそうで(;・ω・)
明治29年春場所星取表

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