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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治29年春場所8日目 (東京朝日新聞/明治29.1.28)

Posted on 2008年8月4日 By gans 明治29年春場所8日目 (東京朝日新聞/明治29.1.28) へのコメントはまだありません


○大相撲
・一昨二十六日(八日目)は日曜といい取組が面白いといい、充分客足を引くべき価値ありしには依るべけれど、近年無比の大入にてその数五千余人に達し、去る十八年梅ヶ谷と大達が両大関なりし時分よりほとんど絶無の盛況なりき、また昨二十七日は雨天のため休業。
・唐辛に勝平は、左四つとなり勝は左筈にて押切らんとし唐は残って二本差しとなり、次いで勝は泉川を掛けたれど効かず更に外掛を試みたれど唐は詰め際で廻り込みもたれて遂に勝となりぬ、いくらよい手を出しても細工の悪いは是非もなし。
・楯甲に當り矢は双方名代の人気力士、當りは左筈楯は右を差し押しと釣りの二手で揉合いしのち水入り、取り疲れて引分。
・小松山に天津風は、小松が左四つに行くを天は全力を注いで下手投に行き、次いで寄り行くを小松は右手を引いてうまく引落したり。
・大戸平に朝汐は、先年大戸が倒されし例もあれど、元気弱りし朝汐なれば無論大戸の物ならんと思いしに違わず、ヤッと立上るやすぐに押出して大戸の勝。
・大纒に高浪は、初めより五分五分の勝負と思いしに違わず大は右四ツの左筈、高は右を巻き左をさし互いに釣らんとして水入り、引分。
・大碇に今泉は、大相撲とて見物ワヤワヤ騒ぎ立て双方の掛け声四本柱もゆるぐばかりの有様なりしが、やがて二人は立派に仕切り今は左四ツで釣出さんとし碇は何のと釣舟に行くを押寄せられアワヤと見えしを、詰めを廻って反対に押寄せしが今は双手にて廻しをしっかと握り、やぐらに掛けて釣出したは天晴大手柄、暫時は鳴りも止まざりき。
・大蛇潟に逆鉾は、例の仕切にぐづぐづする大蛇の事とて見物初めより嫌がりおりしが、果して仕切に十余分間を費やしイザ立上るやわづか一分もたたざるに難の苦もなく大蛇ははたかれて行司溜りへ突落とされぬ。
・鳳凰に若島は双方人気力士、殊に鳳は土俵入にも声かかるほどの勢いなれば土俵へ上るやニコニコとして何となく嬉しそうに見え、双方立上るや突合い二三合にしてたちまち若は東溜りへ突落されたり。
・谷ノ音に小錦は、前日大碇に負けたる小錦なれば七三位の見込なりしが、如何しても小錦は強いもの双方仕切の早い同志とて何の苦もなく立上り、手先争いの末錦は谷の左手を取って引落さんとし谷は引かるるまま突落さんとするを、錦は体をかわして首尾よく谷を突き出したれど、力余って己れも共に東溜りへコロコロ転び落ち、逆に手をつき腰を打ち立ちも得やらず倒れおりしを、谷ノ音と今泉とが引き起こして勝ち名乗を受けさせたり。

好取組が多い終盤戦、超満員となりました。ここまで好調の鳳凰、新進の若嶋を難なく退けて1敗を守ります。土付かずの谷ノ音は小錦のスピードについていけず後退。大碇は今泉に敗れて2敗、廻しを取れば腕力に勝る今泉が圧倒的に有利です。釣舟とはどういう技なのか分かりませんが、釣り技の一種でしょうか?大戸平は不調の朝汐を破って5連勝、序盤はどうかと思われましたが大関として意地を見せています。
明治29年春場所星取表

大相撲

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