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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治17年春場所9日目 (東京横濱毎日新聞/明治17.1.16)

Posted on 2006年9月4日 By gans 明治17年春場所9日目 (東京横濱毎日新聞/明治17.1.16) へのコメントはまだありません


・中入前、友綱に忍川は遮に無に「寄」て友綱の勝。
・上ヶ汐に一ノ矢は仕切も見事に立上り、突掛け跳合い一ノ矢が相撲にせんと右を差しつつ組まんとすれば上ヶ汐は此の右を引張り込み、我が右を伸ばして敵の足を外部より「スクイ」すなわち「高無双」の名手にて勝を得たり。
・千羽ヶ嶽に常陸山は休み。
・鞆ノ平に大達は当日の取組にて、此の日の気入りは大達に多くして鞆には至って少なかりしと、さても力士は仕切も十分やがて立上り、突張り跳合い組まんとすれば振り払い、互いに荒れに荒れたるは中々の大相撲にてついに「左四ツ」に渡り、鞆は「上手」を引かんと右を伸ばして敵の「ミツ」をかかぐるも大達は一心に腰を切りつつ取らせじとなすうち、双方取り疲れて水となりしが大達に痛みありて逃げたり。
・剣山に井筒は、立合い中井筒「タスキ」に抜けんとして自ら「潰」れて剣山の勝。
・梅ヶ谷に西ノ海、仕切申し分なく立上り三ツ四ツ跳合い、梅が左を差して「寄」り来るを西は右に巻いて防ぎたりしも、ついに「寄」て梅の勝。
・柏戸に海山は、小手先にてせり合ううちにも柏戸は唯々敵を防ぐの用心のみ為し、相撲を好まぬ様子ありしが海山が揉み出し敵の右を引張り込まんとするとき水となり、柏戸に痛みありて逃げたるはさもあるべし。
・次は高千穂に勢にて、ちょっと大相撲になりしが高千穂右を差して遮に無に「寄」て勝。

・緋縅に中津山、大鳴門に高見山は休み、それらの為にや又天気の曇りたるにや、番数を切り上げたれば案外にはかどり平日幕の内の取組に移る頃は、早や中入後にて見物中にはわずか一二番の取組のみを見物して帰りたる者も少なからずという。

高無双は現在の決まり手にありませんが外無双の一種と思われます。新進の一ノ矢を倒したベテランのワザ師、見事です。痛み分けはハッキリ「逃げ」と記述されています。確かに毎日多いですからね・・・また9日目に休む幕内力士も毎場所結構目立つのですが、こうして見るとサボりの疑いも免れませんね。毎場所の客の入りに影響すると思いますが・・・いつも通りの時間に行ったら残り2番だった、というのではお客もがっかりした事でしょう。梅ヶ谷が7勝土付かずで幕内最優秀成績。
明治17年春場所星取表

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