明治22年夏場所3日目 (毎日新聞/明治22.5.21)
○回向院大相撲 ・霖雨のため一昨日の日曜にようやく三日目を打ちしが、当日は終日曇天にて折々雨催いありしかば或いは入掛けになりはせぬかと気遣いたるが、どうやらこうやら終りまで取り結びたり、貴顕方には蜂須賀侯池田侯吉井伯その…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
○回向院大相撲 ・霖雨のため一昨日の日曜にようやく三日目を打ちしが、当日は終日曇天にて折々雨催いありしかば或いは入掛けになりはせぬかと気遣いたるが、どうやらこうやら終りまで取り結びたり、貴顕方には蜂須賀侯池田侯吉井伯その…
○回向院大相撲 ・昨日二日目はなかりの景気にて、貴顕方には吉井伯吉田子等の方々を見受けたり。 ・千年川に知恵ノ矢は、持出して千年の勝。 ・北海に司天龍は、立合烈しく北は右をハヅに構い司は右を差して互いに仁王立となりし時、…
○回向院大相撲 ・一昨日の初日はあたかも日曜日にして、殊に当時売出しの力士等の顔ぶれもありしゆえ初日にては近年になき大景気にて、見物の中には毎度ながら徳川公爵、安藤議官その他華族方を見受けたり。 ・千年川に春日野は、千年…
○回向院大相撲 ・響升に大碇は、右四ツ響は無闇にヨラんとするを残して揉合ううち、碇二本差にて下より組付き角觝ううち水入り、のち響左上手を引き揉合い、取疲れて引分。 ・大纒に谷ノ音は、立合いに大右を差し谷は左にてハヅに当て…
○二十日会の相撲 ・華族方の設立に係る同会は、昨日回向院大相撲の場所にて相撲を催せり、当日は新旧華族の方々及び知己等来観し中々の景気なりき。 ・真力に阿武松は、右四ツ出し投にて阿武の勝は老練。 ・小錦に若湊は如何あらんと…
○回向院大相撲 ・今回の大場所は中頃より幕の内中に病気の力士多く、随分肝心の取組を休みたるが、流石に贔屓強き小錦が欠勤せざるゆえ近年まれなる大入りを取り、一昨日の九日目は日曜なりければ昨年一月の九日目とは同日の論にあらず…
○回向院大相撲 ・昨日八日目も中々の景気にて黒田、佐々木、副島の三伯。吉田子、折田警視総監、徳川公の各貴顕方をも見受けたり。 ・大纒に鬼鹿毛は、突合い左四ツにつがい纒は右をハヅに当て攻め行かんと攻め付るを、一ツ揉んで鬼は…
○回向院大相撲 ・昨日七日目は近年まれなる大入にて、午後一時頃は木戸に客止めの札を貼りし大景気にて、貴顕方には副島吉井の二伯、徳川公、芳川内務次官、其の他の方々を見受けたり。 ・千羽ヶ嶽に千年川は、千年立合いざま右差し、…
○回向院大相撲 ・昨日六日目は前日に倍したる大景気、中入後などは見物人浪を打ちし位の大入にて、貴顕方には山田、榎本の二大臣、副島、吉井、佐々木の各枢密顧問官、徳川、毛利の二公、伊達侯、等を見受けたり。 ・黒雲に真力は、突…
○回向院大相撲 ・昨日五日目は流石に広き同場も立錘の余地なく、貴顕方には副島、吉井両枢密顧問官、徳川公、蜂須賀侯等を見受けたり。 ・真鶴に千年川は、突合い千年は敵の首を巻かんとするも外れたるより逃げながら手段を変えんとす…