明治17年春場所3日目 (東京横濱毎日新聞/明治17.1.8)
・(中入前)海山に九紋竜は、至極念入りてなかなか立たざりしうち九紋竜は「カタク」なり、暫くしてやっと立上り腹立ち紛れ海山の横面をしたたかに張りしが、海山は別段気にも掛けず押切りて勝はさもあるべし、この海山は大坂にて今度大…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
・(中入前)海山に九紋竜は、至極念入りてなかなか立たざりしうち九紋竜は「カタク」なり、暫くしてやっと立上り腹立ち紛れ海山の横面をしたたかに張りしが、海山は別段気にも掛けず押切りて勝はさもあるべし、この海山は大坂にて今度大…
・回向院二日目の相撲は観客前日に倍してすこぶる上景気なりき。 ・(中入前)一ノ矢に緋縅は当日第一に待ち設けたる取組なれば熱心連中は目を剥き出し手に汗を握りつ呻るもあれば叫ぶもあり、いずれ劣らぬ日の出力士どよめき渡りて囂々…
・回向院の春相撲はかねて記しおきたる如く昨日をもって開場せり、案の定早春の事なれば観客の気入りもひとしおにて初日ながらおよそ千四五百もありしなるべし。 ・(中入前)芝田山に取倉は取倉の勝。柏木に綾浪は綾浪の勝。それより幕…
・(中入前)大ノ川に大和錦は引分。藤の森に芝田山は芝田山の勝。取倉に勢力は勢力の勝。羽衣に鶴ヶ濱は「鉄砲」にて踏切り鶴ヶ濱の勝。岩ノ里に菊ヶ濱は菊ヶ濱の勝。 ・九紋竜に日下山は難なく立上り、突掛け跳合い暫くして九紋竜は左…
・一昨日回向院九日目の相撲は、まず可成りの景気にて。 ・(中入前)濱ノ音に一ノ矢は当日一の取組だけに観客の気入もすこぶるよし、両力士は至極念入りて立上り荒れて突掛け跳合い、ついに「左四ツ」となりて揉んで揉抜き互いに危うき…
・雨天にて延引せし回向院八日目の相撲は昨日の天気につれて開場せり、景気はまず可なりというべし。 ・(中入前)若ノ川に千草山は若の勝。九紋竜に朝日嶽は九紋竜の勝。岩ノ里に入間川は岩の勝。忍川に御所櫻は忍川の勝。勢に藤ノ戸は…
・昨日同所七日目の相撲は、前日に劣らぬ上景気。 ・(中入前)立田野に一ノ矢は、難なく立上りしも立田野寄られて一ノ矢の勝。 ・濱ノ音に常陸山は仕切も十分立上り「左四ツ」となりしが、濱ノ音は其のまま揉みながら遮に無に「寄り」…
・回向院六日目の相撲は日曜にもあり天気もよし、また面白き顔触れなれば早天より詰め掛けし観客五千人の上に出でたり。 ・(中入前)稲ノ花に濱ノ音は若相撲の取組なり観客の気入も至極よし、双方見事に仕切り、立上りざま荒れて跳合い…
・昨日回向院五日目の相撲は相変わらずの上景気。 ・(中入前)嶽ノ越に中ツ山は嶽ノ越の勝。大和錦に若ノ川は大和錦の勝。芝田山に伊勢ノ濱は伊勢の勝。 ・出釈迦山に一ノ矢は、花々しく立上り突掛け跳合いし末左差しとなり、揉んで揉…
・昨日回向院四日目の相撲は観客前日に一倍せり。 ・(中入前)増位山に常陸川は増位山の勝。綾浪に千草山は綾浪の勝。音羽山に平ノ戸は平ノ戸の勝。忍川に菊ヶ濱は預り。勢に浦湊は押切りて勢の勝。 ・九紋竜に濱ノ音は互いに突掛け合…