明治29年夏場所9日目 (東京朝日新聞/明治29.5.30)
○土俵のかずかず ・高浪に梅ヶ崎は、梅の左四ツにて押切るを詰にてうっちやり高の勝。 ・唐辛に玉龍は面白き取組にて、唐の一本背負を玉は二度まで残し水入後引分け。 ・若湊に一力は、一のはたきを若は泳ぎながら右足を取て引倒さん…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
○土俵のかずかず ・高浪に梅ヶ崎は、梅の左四ツにて押切るを詰にてうっちやり高の勝。 ・唐辛に玉龍は面白き取組にて、唐の一本背負を玉は二度まで残し水入後引分け。 ・若湊に一力は、一のはたきを若は泳ぎながら右足を取て引倒さん…
○土俵のかずかず ・荒岩に岩木野は、左四ツ右差にて攻め上手投にて荒の勝は呆気なし。 ・松ヶ関に若島は当日第一の好相撲にて、若の左矢筈にて押すを松は一生懸命に防ぎ、仕替えて若は右四ツ左巻きに行くを松は右差にて押切らんとし、…
○大相撲 ・一昨(七日目)は久しぶりの好天気といい日曜日にてもありしゆえ非常の大入にて、実に場内立錐の地を余さず貴顕方も多く来観ありたり。 ・響升に梅ヶ崎は、梅が一心不乱に突来るを響は押返すと見せて体をかわしながら投を打…
○土俵のかずかず ・唐辛に鉞りは、鉞りのはたきを残し押切て唐の勝。 ・逆鉾に松ヶ関は好相撲ならんと思いの外、逆の突手にて苦もなく松の負は敵の勢いに呑まれた形。 ・横車に狭布ノ里は互角の力士、狭布は横の左四ツにて押来るを足…
○土俵のかずかず ・高浪に小天龍はいづれも老功の力士、穏やかに立上るや高は左四ツにて掬いを打ち小の負。 ・玉龍に鬼鹿毛は、鬼が敵の前袋を取り右にて首を巻き上下より絞りしも利かず、水入後引分け。 ・外ノ海に梅ヶ崎は、梅が右…
○土俵のかずかず ・唐辛に当り矢は別に手のなき相撲にて、ただ突き合いしのち当りが左差しで行くを釣出して唐の勝。 ・若島に狭布ノ里は、待った数回にて立上るや狭布は壊中を狙うて飛びつくを若は受け止め突出して若の勝は、待ったの…
○大相撲 ・一昨日(三日目)は日曜日といい、殊に連日の雨天続きにて見物相撲に渇えいたれば今日こそはと朝のほどより詰めかけ詰めかけ、惣見物も五六組あり爪も立たざる大入なりし。 ・御舟潟に出羽ノ海は、双方突き合いしのち御舟の…
○土俵のかずかず ・当り矢に荒岩は、当りが釣身に行くを内掛にてもたれ荒の勝。 ・大蛇潟に天津風は余程立ちにくかりしが、行司の励声で立上るや二三合突合いしのち左筈にて押切り大蛇の勝。 ・響升に鬼ヶ谷は、鬼が右四ツで押すを危…
○土俵のかずかず ・若湊に唐辛は、唐が土俵の詰めに押されしを危うく廻って反りを打ち、若の体倒れしも踏切ありて唐の負。 ・大纒に横車は、幕下より昇進の横の勢い当り難からんと思いの外、場数の纒左筈にて押切る。 ・朝汐に梅ヶ崎…
○大相撲の番付 ・明十一日より開場する回向院五月場所大相撲の番付は他社に率先して昨日の欄外にその確定したるものを掲載せしが、今また観客の便利をはかり本年一月場所の番付を出して対照すればすなわち左の如し。 ○相撲のかずかず…