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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治26年夏場所千秋楽 (毎日新聞/明治26.6.16)

Posted on 2007年12月17日 By gans 明治26年夏場所千秋楽 (毎日新聞/明治26.6.16) へのコメントはまだありません


○回向院大相撲
・昨日十日目の同相撲は千秋楽としてはまづ景気よき方なり。
・一力に玉龍は、立上り突合い一力遮二無二突張りハズンで踏切りしに、早くも廻り込んで逆に攻込み一力の勝なりとて行司は団扇を指したり、しかるに検査役関ノ戸武蔵川、一力に踏出しありとて行司を叱咤せしに八角浦風の二検査役は行司の判定を至当なりと主張し、遂に検査役の間に紛議起りしがようやくに預りとはなりぬ。
・海山に高千穂は、突張りて海山の勝。
・笹島に岩戸川は、立上るや渡し込んで岩戸川の勝。
・鬼若に越ヶ嶽は、右をアテ寄り切りて越ヶ嶽の勝。
・梅ヶ崎に勢力は、ヒネリて梅の勝。
・雷山に藤ノ嶽は、雷敵の差し手を泉川に撓め揉合い、藤二本差しとなり雷諸に絞り水入りてのち睨合いの姿となりたり、時に降雨はしばらく天幕に支えられしがたちまちにして天幕を凌ぎ雨の洩れ来るより、初めには観客これを避けしが果ては場内一般車軸を流す如くいづれもケット、敷物、傘等にてこれを支え居り、力士は一切構わず睨合いてありしが、果てしなければ引分にて千秋楽の相撲を終わりたり。

○相撲彙報
・来る十九日より七日間、横濱に於いて興行する初日取組は左の如し。
西ノ海 若 湊 
小天龍 響 升 
今 泉 大蛇潟
海 山 一 力
大 纒 小 錦 
千年川 高ノ戸 
芳ノ山 藤ノ嶽 
越ヶ嶽 高千穂
朝 汐 鳳 凰 
出羽海 北 海 
玉 龍 雷 山

・大戸平達ノ矢の一行は、明後十八日弥生館に於いて旧薩摩藩士戊辰の役に戦死せし人々の吊祭相撲を済ませ翌十九日を以ていよいよ北海道へ、また平ノ戸、大碇、高浪、響矢等は本日より浅草公園にて四日間興行。

ここ数日は天気が下り坂で、結びの一番は雨中の相撲でしたが何とか今場所も無事に終了しました。力士たちはそれぞれの巡業先へ向かって行きます。北海道での夏巡業、船で行くんでしょうけれども大変そうですね。現地ではどうやって移動してどんな場所を廻っていたのか興味あるところです。
明治26年夏場所星取表

大相撲

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