・回向院昨日三日目の相撲は極の上景気にて見物の員数は三千百四拾一人なりと。
・サテ中入前、境川と千羽ヶ嶽の勝負は双方五分に立ち合い、二ツ三ツ押し合いしが千羽ヶ嶽は右手をサシて相手の廻しを取り、境川はこれに十分の余地を与えて上から左手にてこれも相手の廻しを取り、千羽ヶ嶽左手にて相手の右手を支え「相四つ」となりしが、千羽ヶ嶽はヤッと一声掛けて左手を伸べ、相手の廻しに手を掛くると見えしがたちまち境川を中空に釣り上げ、二足ほど進みて遂に相手を土俵外に持ち出し千羽ヶ嶽の勝となり。
・また司天龍と若島との取組は、手もなく司天龍の勝とはなりぬ。
相手十分に取らせてから料理する巨漢横綱の境川ですが、平幕力士に吊り出されてしまいました。入幕が幕末の慶応3年というベテランで引退間際の時期なので仕方無いか・・・なお江戸時代の古来より大相撲は東西制になっていて、常に番付の東側の力士vs西側の力士だけが対戦することになっています。中入前に大関が登場、中入を挟んでまた十両が登場して結びにもう片方の大関、という進行になっていて、現在とは異なります。
明治13年夏場所星取表
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祝・新ブログ開設です。
素晴らしい資料の宝庫ですネ…
今後も楽しく拝見させて頂きます。
もし現代にも東西制があった
としたら…来場所みたいに
朝青龍も白鵬も東方だと
東方の圧勝でしょうかねぇ(笑)
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コメントありがとうございます(・ω・)ノ
個人的にはとてもお気に入りの新企画です。まだまだこの時期は記事も少ないのですが、明治14年からは記事も増えてだんだん面白くなってきますよ。gansもまだ記事にしっかり目を通しているわけではないので、これからどんなのが飛び出すか楽しみです・・・
東西制って今の我々には馴染みが無いですが、想像してみると結構面白そうだな~と思います。大物を喰って相手方のポイントを阻止した力士は大ヒーローですからね。その辺の連帯感とか盛り上がりは、単なる個人戦よりもアツイです。
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かつて東横綱の双葉山が全勝優勝したのに
団体で西方に敗れた為、翌場所西横綱だったのは、東西制のルールからすれば然りなんでしょうけど、我々からすれば実に違和感のある番付でしたね。
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それにしてもボクシング等のように単なる縦1本のランキングではなくて横に2本並べるランキングというアイデアは秀逸ですよね~このページの背景の梅・常陸のように同格決戦が盛り上がるというものです。東西という分け方も関ヶ原の合戦を知っている日本ならではのもので、日本人の心にピッタリはまってます。