・昨日回向院九日目の相撲は見物千七百弐拾弐人あり。
・かねて諸人の待ちし梅ヶ谷若島の取組は、双方十分に立合い「左ヨツ」となり二ツ三ツもみ合いしが、梅ヶ谷はまづ逆に力を入れ相手の体を浮かせ、遂に寄せ付け若島を押し出したり。
・中入後高千穂伊勢ノ濱の取組は、立合い際に高千穂は二本差し込み十分の手となり伊勢ノ濱は二三度押されて既に危うかりしが、上手「カンヌキ」にて相手の手を絞り高千穂を捻り倒し勝を得たり。
・(去る三十日の紙上、荒虎の勝とあるは若島の勝なり。)
梅ヶ谷vs若島の対戦は大関vs関脇、全勝vs1敗という頂上決戦です。記事の順番からすると中入前だったんでしょうか?はっきりしませんが、だいたいこの時代の記事は取組順になっているはずです。この大一番のあとに十両の取組とは、見る方も気が入らないのでは。なお大相撲の開催は十日間ですが、幕内力士はこの九日目をもってお役御免となります。西大関の梅ヶ谷、見事に9戦全勝です。
明治13年夏場所星取表